ニュース

日本オラクル、Oracle DBの手動チューニングを不要にする「ZFS Storage」新製品

Oracle ZFS Storage ZS3シリーズの中規模向けである「ZS3-2」

 日本オラクル株式会社は15日、ストレージアレイの新製品として、「Oracle ZFS Storage ZS3シリーズ」(以下、ZS3シリーズ)を発表した。最大3.5PBまで拡張可能なスケーラビリティを備えるほか、Oracle Database運用の効率を向上させる新機能を搭載した。

 「ZS3シリーズ」は、ZFSを採用したストレージ製品群「Sun ZFS Storage Appliance」の最新製品。最大768TBまで拡張できる中規模向けの「ZS3-2」と、最大3.5PBまで拡張可能な大規模向けの「ZS3-4」がラインアップされる。

 機能としては、SSDをキャッシュとして利用する「Hybrid Storage Pool」が強化され、メモリ内のデータを重複排除することで、領域効率が4倍向上。フラッシュへの最適化やマルチコア対応の強化などにより、応答性能も2倍に向上したという。

 最大の特徴は、「Oracle Intelligent Storage Protocol(OISP)」機能により、Oracle Database 12cのチューニングや管理を自動化した点。データベースとストレージがOISPを介してメタデータをやり取りし、自動チューニングを行うため、手作業と比較して最大65%の時感を短縮できる。

 さらに、「Heat Map」「Automatic Data Optimization」機能により、さまざまな圧縮レベルを適用して、データ管理のライフサイクル全般を支援できるとのこと。圧縮にあたっては、データ圧縮技術「Hybrid Columnar Compression」によって、Oracle Database製品の容量を1/10~1/50に圧縮可能。「圧縮がデータベースエンジン側で行われるので、データの転送がより少なくなり、クエリが2倍から8倍高速になる点も大きなメリットだ」(米Oracle ソフトウェア開発担当バイスプレジデントのスコット・トレイシー氏)とした。

Hybrid Storage Poolの機能強化
手動チューニングを排除するOISP
Hybrid Columnar Compression
米Oracle ソフトウェア開発担当バイスプレジデントのスコット・トレイシー氏

 「ZS3-2」は、8コアXeon(2.10GHz)×4、512MBのDRAMキャッシュ、最大12.8TBのリードフラッシュキャッシュを搭載でき、最小構成価格は359万3910円(税別)。「ZW3-4」は、10コアXeon(2.40GHz)×8、2TBのDRAMキャッシュ、最大12.8TBのリードフラッシュキャッシュを搭載でき、最小構成価格は869万8266円(税別)。なお、いずれもデュアルコントローラのクラスタ構成に対応する。

 製品発表会では、2011年から解析・分析のデータ基盤にSun ZFS Storage Applianceを導入している、グリーの取締役 執行役員常務 最高技術責任者、藤本真樹氏が登壇。「ZFSはファイルシステムとしては最高だと思う。コスト効率を考えると重複排除とCopy-On-Writeに助けられているし、DRAM、SSD、HDD、の透過的な利用ができ、低いコストで高いパフォーマンスが得られるのも大きい。また、スモールスタートができPBクラスまで拡張できるし、ハードウェア設計のバックボーンがOracle Exadataなどエンジニアド・システム共通になっていたり、InfiniBandなど多少チャレンジだった技術でも安心して利用できたりする点もメリットだ」と述べ、Sun ZFS Storage Applianceへの評価と採用理由を説明した。

グリー 取締役 執行役員常務 最高技術責任者の藤本真樹氏
さまざまなログデータを収集・蓄積するデータ格納用ストレージとして採用されている

石井 一志