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Oracle Database 12c対応を強化した「ZFS Storage」上位機、性能は2倍に

ZS4-4

 日本オラクル株式会社(以下、オラクル)は15日、統合ストレージ「Oracle ZFS Storage Appliance(以下、ZFS Storage)」の新製品「Oracle ZFS Storage ZS4-4(以下、ZS4-4)」を発売した。同製品シリーズの上位版で、「Oracle Database 12c」への対応を強化したのが特長。フラッシュアレイやテープストレージとともに、ビッグデータ時代に最適なストレージ階層化を提案する。

 ZFS Storageは、圧倒的なリソース搭載による性能確保と事実上無制限のボリューム提供などを特徴とするNASストレージシリーズ。ZS4-4はその上位版となり、「Oracle ZFS Storage OS」の最新版により、Oracle Database 12c環境向けの新機能を搭載した。

 具体的には、同OSに実装された「Oracle Intelligent Storage Protocol(以下、OISP)」を介して、Oracle Database 12cとZS4-4がメタデータをやり取りし、自動的にチューニングを行う機能。マニュアル操作と比べて最大67%も少ない手順で作業を完了できるという。

 また、OISPと連携したアナリティクス機能「ZS Analytics」を搭載。複数の「プラガブル・データベース(以下、PDB)」ごとにデータの入出力を集計・分析できる。PDBはOracle Database 12cで実装された仮想DB機能で、コンテナデータベース内に複数のPDBを定義して利用できる。これにより、1つのインスタンス上で複数のデータベースを稼働させられる。こうして複数作成されたPDBの状態を単一のGUI上でグラフィカルに確認できる新機能だ。管理ツール「Enterprise Manager」を使えば、データベースからストレージまで一気通貫でアセスメントすることも可能となる。

ZS4-4の特徴
ZS Analytics機能の特徴

 新機能としてはこのほか、「ファイルレベル暗号化」に対応。別途ファイル暗号化システムを導入しなければならない「ディスク暗号化」と比べ、ライセンス費用のみで利用できるため、より安価にデータを保護できるという。

 性能面では、コントーらあたり1.5TBのDRAMキャッシュに対応。最大3TBまで拡張可能(2ノードクラスタ時)で、より大量のデータをインメモリで処理できるようにした。CPUコア数もコントローラあたり60コアとし、前世代機種の2倍のパフォーマンスを実現している。

宮坂美樹氏

 オラクルでは、新製品とフラッシュアレイ「Oracle FS1」およびテープストレージ「StorageTek Tape Library」を組み合わせ、ビッグデータ時代に最適な「ストレージ階層化」を提案する。システム事業統括 プロダクト・マネジメント・オフィス本部長の宮坂美樹氏は、「データは急増し、2020年には4万エクサバイトに到達すると予測されている。その一方で、80%のデータは90日経過するとほとんどアクセスがないといわれる。重要なことは、アクセスは少ないが消すことができないデータをいかに効率的に管理するか」と説明する。

 特に4K/8Kに象徴される動画・映像分野でストレージ階層化のニーズが高く、一例として、アーカイブビジネス事業者の導入事例が紹介された。放送各社の映像データや金融機関の機密文書などの保管サービスを提供する企業で、これらのデータを長期間にわたってクラウド上にアーカイブしている。そこにZFS StorageとSL8500 Tape Libraryが活用されており、アクセス頻度に応じて自動でデータ配置することで、運用を容易にしているという。

ストレージ製品ポートフォリオ
オラクルのストレージ階層化

川島 弘之