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KDDI、「KDDI まとめてオフィス」を全国展開、中小企業の活性化を支援
(2013/3/18 15:53)
KDDI株式会社は18日、中小企業向けの会員制サポートプログラム「KDDI まとめてオフィス」を販売する子会社、KDDI まとめてオフィス株式会社について、営業体制を拡大すると発表した。新たに地域会社4社を立ち上げ、これまでの東名阪エリア以外でも、地域に密着したサポート体制を整えるという。営業は4月1日より開始する。
2011年4月より営業を開始したKDDI まとめてオフィスは、「あなたの会社のIT担当になります!」をスローガンに、主に従業員100名以下の中小企業に向け、ビジネス支援を行っているKDDIの子会社(現在の出資比率は95%)。「電話会社であるので、通信コスト削減は当たり前のようにやってきたが、それだけではお客さまは満足しない。オフィスにある、あらゆるものを提供していこうということで、社名に“まとめて”を入れた」と同社の佐藤司社長が話すように、さまざまな支援を行ってきた。
具体的には、多機能・高機能化する複合機をハブにしたソリューションや、クラウドサービスとスマートデバイスを組み合わせて業務効率を向上させるソリューションなど、ICT利活用のためのソリューションがその一例だが、2011年の発足時に「家具や内装工事まで請け負ってほしいといった声もある」と説明していたように、LED照明や省エネ型エアコンへの変更による光熱費の削減など、IT以外の分野についても支援を行っている。こうした幅広い活動の結果、「営業開始後2年で、売上高が6倍に、顧客数が4倍になり、右肩上がりで成長している」(KDDI まとめてオフィスの佐藤社長)のが現状だ。
ただし従来はリソースの問題もあり、東名阪を中心とした営業体制を敷いてきたが、今回、関西・北陸地域を担当する「KDDI まとめてオフィス関西株式会社」、中部エリアを担当する「KDDI まとめてオフィス中部株式会社」、北海道・東北エリアを担当する「KDDI まとめてオフィス東日本株式会社」、中国・四国・九州エリアを担当する「KDDI まとめてオフィス西日本株式会社」の4社を設立。関東の7都県と新潟・山梨を担当するKDDI まとめてオフィスの本社とあわせて、全国をカバーできる体制を整えた。
さらに、「2年の経験から、中小企業が何に困っているかがわかってきた。例えば、企業や経営支援のノウハウを持った人材が足りない、ビジネスマッチングの機会を作ってほしいという声があり、これはKDDIだけでは対応できない」(KDDI 執行役員 ソリューション事業本部長の東海林崇氏)ことから、アライアンスも進める考えを示す。
その一環として、起業を支援するプロジェクト「ドリームゲート」を運営しているプロジェクトニッポンと協業。起業および経営に関するオンラインでの顧問サービスや、検索連動型広告「Google AdWords」を利用したマーケティング支援なども提供するとのことで、東海林氏は、「中小企業に必要なものを、KDDI まとめてオフィス+(他社との)コラボレーションですべて実現できる世界を目指したい」との意気込みを述べた。
なお今回の事業拡大に伴い、KDDI まとめてオフィスの従業員を現在の230名から2015年までに2000名へ拡大するほか、ICT以外の売り上げも、現在の50億円から2015年には10倍以上にしたいとのこと。ICTを含めた場合は、中小企業層全体で、現在の1500億円から3000億円規模への拡大を目指している。