弘前大学で1万人が利用するプライベートクラウド、ネットワンが構築


構成図

 ネットワンシステムズ株式会社(ネットワン)は26日、弘前大学の学生・教職員約1万人が利用する情報システム基盤をプライベートクラウドで構築したと発表した。

 VMwareのサーバー仮想化ソフト、EMCのハイエンドストレージ、Ciscoのネットワーク製品、Palo Altoの次世代ファイアウォールを組み合わせ、サーバー・ストレージ・ネットワークそれぞれを仮想化して構築している。

 サーバー仮想化では、40台の物理サーバーを「VMware vShpere 4」で仮想化し、6台のブレードサーバー上に集約した。必要な時にすぐにサーバーを使える環境を実現するとともに、サーバーの台数減により消費電力も削減している。

 ストレージ仮想化では、NASゲートウェイ「EMC Celerra VG8」を利用し、ファイルサーバーのデータ領域と仮想サーバーのデータ領域を、容量42TBの同一ストレージ内に統合。さらにバックアップ用のストレージとして、容量29TBの「EMC Celerra NS-120」を採用し、重複排除機能により機器コストを削減。バックアップ処理は「EMC Celerra Replicator V2」によって自動化している。

 ネットワーク仮想化では、Ciscoの負荷分散装置とコアスイッチを導入。セキュリティに「PA-2050」を導入し、仮想サーバー単位の接続ポリシー設定を実現している。

 弘前大学では4年ごとのシステム更新時期を迎えたことを機に、「教育・研究を支援するために必要不可欠な共通基盤機能を提供」「情報及び情報システムの共有化・体系化・組織化」「重複投資の回避と資源の有効活用」「十分な情報セキュリティの確保」を基本方針に、情報基盤を中長期的に整備するための「情報基盤整備に関する戦略」を策定。今回のシステム刷新はこの戦略に基づいて進められた。

 新情報システム基盤は、プール化されたリソースを柔軟に利用できるプライベートクラウドとして構築されており、弘前大学 総合情報処理センター長・次世代型IT基盤技術開発センター長の深瀬政秋氏は「今後はこの基盤を活用して、学生や教職員にPaaS/SaaSを提供し、卒業論文の制作や大学院での研究支援など、より良い教育環境を目指したい」と述べている。

関連情報