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ネットワンシステムズと東京貿易テクノシステム、LiDARやローカル5Gを活用したデジタルツイン構築を実証

 ネットワンシステムズ株式会社は2日、東京貿易テクノシステム株式会社と「イノベーションセンター netone valley」で共創プロジェクトを実施し「ローカル5Gを活用したLiDARのレイアウトフリー化」の検証に成功したと発表した。

 LiDAR(Light Detection And Ranging)とは、レーザー光を対象物に照射し、その反射光を捉えることで、対象物までの距離や対象物の形状などを測定する技術。測定結果は、三次元の座標情報を持つ点群データとなる。

LiDARで観測した空間の点群データ

 LiDARは計測精度が高く、暗所や被写体との間に障害物がある場合でも計測が可能という特性から、製造現場では計測データによる安全性の確保や作業の効率化などに活用されている。しかし、データ処理量が大きいため、リアルタイムでデータ収集する場合には有線接続が前提となり、クレーンなどの移動体や、山、港などの広域な環境では活用が難しいという課題があった。

 この課題に対し、ネットワークインフラ領域に強みを持つネットワンシステムズと、計測機器の豊富な知見をもつ東京貿易テクノシステムの2社が、共創活動に取り組んだ。

 共創プロジェクトでは、無線によるLiDARでのデータ収集領域のレイアウトフリー化に向け、Wi-Fi 6とローカル5Gの比較検証を行った。LiDARはデータ量が1台あたり20Mbpsからと大きく、Wi-Fi 6利用時はパケットロスが多発し、データを取得することができなかった。一方で、ローカル5G利用時はパケットロスが発生せず、有線接続と同等の安定したデータ伝送が確認された。

 また、ローカル5Gを活用することでLiDARの無線化が実現できるという本検証結果をもとに、製造現場での活用方法を想定したデモンストレーションを1月から実施している。

 netone valley内のローカル5G環境で、LiDARから得られる点群データと、IPカメラによる映像を合成することで、デジタルツイン空間モデルを作成し、3次元侵入検知システムのデモを実施している。このデモでは、デジタルツイン空間モデル上での危険区域への侵入を検知した際、警報を発し、製造レーンを即時に自動停止させるなどの安全性向上への活用方法を提示している。さらに、有線接続では設置が難しかった移動体への取り付け、具体的には製造ラインのクレーンでの活用も紹介している。

デジタルツインデモ構成

 両社は引き続き、製造業の顧客向けに、LiDAR活用による安全性向上・省人化の方法を提示するとともに、顧客ごとの個別環境での活用のご提案や構築の支援を進めると説明。さらに、共創活動を進める中で、港湾や水力発電に活用されるダムなどの、広域な環境でのニーズがあることが分かったとして、取り組みによって海運業や電力事業においても省人化・生産性向上に貢献できると考えており、両社でさらなる共創活動を進めるとしている。