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AKOS AI、富士通のAIトラスト技術を生かしたAIガバナンス支援ソリューション「AKOS HUB」をグローバルへ提供
2025年4月21日 15:11
富士通株式会社は18日、同社が開発したAIトラスト技術のライセンスを、イタリアAKOS AIに提供したと発表した。AKOS AIは、この技術の活用によって開発したAIガバナンスプラットフォーム「AKOS HUB」を、EUのAI規制法に順守したリスク管理などを可能にするサービスとして、4月よりグローバルに提供を開始する。
AKOS AIは、企業のコンプライアンスに対応した“責任あるAI開発”を行うスタートアップ企業。富士通が同社にライセンス提供するのAIトラスト技術は、富士通のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術である、AI公平性技術を含む5つから構成されており、包括的なAIガバナンスを提供することで、サービス導入に伴うリスクの軽減を可能にするという。
AKOS AIでは、これらとAKOS HUB、コンサルティングを組み合わせ、企業や団体のリスクの軽減・排除を包括的に支援するサービスを提供するとした。
なお、富士通の技術を活用したAKOS HUBでは、以下の5つのパッケージを提供する。
1)AIシステム導入時の、EUのAI規制法への順守をサポートする「EU AI規制法準拠支援パッケージ」。EUのAI規制法が定める法的義務を明確にするための複雑なプロセスを簡略化できる。
2)倫理ガイドラインに基づきリスクを洗い出す「AI倫理影響評価パッケージ」。AIシステムの倫理的影響を評価するためのプロセスを構造化している。
3)AIシステムのリスク管理を確実かつ効率的に実施する「AIリスク評価パッケージ」。AIシステムの企画から運用までの、AIライフサイクル全体にわたってリスク管理を支援するツールで、EUのAI規制などを順守した証跡や対策の履歴を、必要なアクセス制限をかけてプロジェクトごとに管理し、問題の追跡や監査に活用できる。
4)AIモデルの公平性の検証や改善を行う「AI公平性検証パッケージ」。データ前処理、学習時、予測時の全フェーズで、AIモデルのバイアスに関わる倫理的な問題に対処できる。
5)大規模言語モデル(LLM)に潜むバイアスを多様な視点で診断する「LLMパッケージ」。人間の知識や価値観に関連するさまざまなトピックに関する、LLM全体のバイアス評価が可能。
このほかAKOS HUBでは、AIマネジメントシステムの国際規格であるISO 42001や、米国国立標準技術研究所(NIST)のAIリスクマネジメントフレームワーク(AI RMF)への準拠を支援するパッケージも用意されているとのことだ。