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Salesforce、フィールドサービス分野の従業員を支援する「Agentforce for Field Service」を発表
2025年4月16日 11:00
米Salesforceは現地時間9日、フィールドサービス向けに設計されたデジタル労働プラットフォーム「Agentforce for Field Service」を発表した。AIエージェントがスケジュール設定の手間や反復的なタスクを処理することで、現場担当者や技術者を支援する。
Agentforce for Field Serviceは、現場作業員を抱える企業が、作業の流れの中で自然に、または自律的にタスクを実行できるAIエージェントを、迅速かつ安全に導入できるよう支援する。Agentforce for Field Serviceを活用することで、製造業やエネルギー・公共事業、家庭向けサービス、テクノロジーなど、企業は現場の作業員や顧客を効率的にサポートできる。
Salesforceでは、現地サービスの予約は、設定に平均17分、変更に15分、キャンセルに12分かかると言われているが、Agentforceを活用することで、顧客はWebやメッセージングツールを通じて、自然な言葉で24時間365日オンデマンドに、5分以内でアポイントの予約・変更・キャンセルを行えると説明。
Agentforceは会話の文脈から作業内容を的確に把握し、作業指示書および対応するサービス予約書を自動的に作成する。さらに、作業場所や必要なスキルに応じて最適な技術者を選定し、顧客から伝えられた制約条件もリアルタイムで考慮した上で、最適な予約枠を提案する。その後、予約は自動的にスケジュールに追加され、確定まで人手を介さずに完了できる。
キャンセル、無断欠席、予定より早く作業が完了したことによりスケジュールに空きが出た場合でも、Agentforceは現地作業員が迅速かつ正確に調整できるよう支援する。Salesforce Field Serviceの最適化エンジンを活用し、作業時間、使用可能な部品、交通状況といった主要なデータポイントを考慮して、SLAの達成や超過勤務の回避といったビジネス目標に適した予約を提案する。作業員はその中から選択して、スケジュールを即座に更新することで、業務を円滑に進められる。
移動中にも、作業前ブリーフィングの再生機能により、技術者はAgentforceが作成した作業指示書の要約を音声で聞くことができ、必要な情報を把握した上で現場に到着できる。さらに、iPhoneユーザーはSiriショートカットを通じてAgentforceと対話でき、Field Serviceモバイルアプリ内でAIエージェントを呼び出せる。これにより、情報の表示、作業後の要約の作成、フォローアップの予約など、事前に設定したリクエストを実行できる。
技術者がField Serviceアプリ内でAgentforceにトラブルシューティングを依頼すると、Agentforceは製品マニュアルや類似の修理履歴、センサーデータといった構造化データに加え、過去のチャットやメールといった非構造化データも参照して、最適な回答を生成する。単に手順をまとめるのではなく、会話形式で一つひとつのステップを丁寧に案内し、会話の流れや写真の解析結果に基づいて内容を柔軟に調整することで、初回修理完了率の向上を目指す。
作業後の報告についても、各サービス予約の終了時に、Agentforceが技術者が収集したデータをもとに、作業後レポートのドラフト作成をサポートする。ドラフトが生成された後は、技術者が自然な言葉で追加情報の記載や内容の修正をAgentforceに指示することも可能。Agentforceはその意図をくみ取り、指示された箇所のみを的確に修正する。
Agentforce for Field Serviceの予約設定機能は5月に、現場でのトラブル対応支援については、6月に提供開始予定。スケジュールの隙間解消機能、作業報告書の作成、移動中での音声機能は、Einstein for Field Serviceの一部として現在利用可能。