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NTT Com、ドコモのキャリア通信設備を活用したローカル5Gサービスを提供

冗長性と高い保守性を低コストで実現、免許取得も不要

 NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は25日、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)のキャリア通信設備を活用し、冗長性と高い保守性を低コストで実現する「ローカル5Gサービス TypeD」の申し込み受付を開始すると発表した。これにより、企業におけるローカル5G導入のハードルを下げるという。

 「ローカル5Gサービス TypeD」は、2月にドコモから提供開始された「ローカル5Gトータルサポート」を活用してローカル5Gネットワークを構築するソリューション。設備のほとんどを利用企業の拠点内に設置する必要があった従来のローカル5Gサービスと異なり、ドコモのキャリア通信設備を用いている点が特徴という。

 具体的には、交換機やCU(データ処理部)、DU(無線信号処理部)、UPF(U-planeデータ処理装置)などの設備をドコモのキャリア通信設備と共用しているため、キャリアレベルの冗長性を実現可能なほか、無線周波数を冗長させたネットワーク構築にも対応する。企業側の敷地内に設置する設備はRU(無線装置)とアンテナのみで、従来よりも設置スペースを9割程度削減可能。ラックの設置や配線などの必要もなく、エリア構築をより柔軟に行えるとした。

サービス提供の全体像と既存サービスとの構成比較

 また、ローカル5G設備の監視保守はドコモの作業者がキャリア通信設備と合わせて行うので、利用企業側で専門の人員を用意する必要がない点もメリット。無線設備を専門で取り扱ってきたドコモの作業者が24時間365日体制で監視を行うほか、ドコモは全国各地に保守拠点を持つことから、全国への駆け付け保守が可能となっている。

 さらに、通常、ローカル5Gの利用には無線免許の取得や総務省への届け出が必要で、申請書類の作業対応などにも専門の人員が必要となるが、このサービスでは無線の免許人がNTT Comとなるため、企業側で無線免許の取得や総務省への届け出対応をする必要はないという。

 なお、「ローカル5Gサービス TypeD」はNTT Comの「Arcstar Universal one(UNO)」、「Flexible Inter connect(FIC)」といった通信サービスと組み合わせて提供され、企業のデータセンターに接続できるのはもちろん、要望に応じて、各種クラウドサービスやインターネットへの接続も行えるとのことで、こうした全体の構成検討から構築までをNTT Comが一括で対応するとしている。