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DNPとBIPROGY、AIエージェント機能を実装したアバターのノーコード構築ツールを開発

2025年度中のサービス提供を目指す

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)とBIPROGY株式会社は19日、AIエージェント機能を搭載したアバターをノーコードで簡単に構築できるツールを開発したと発表した。従来、AIエージェントとそのアバターは個別に制作した後で統合する工程が必要だったが、このツールでは生成AIの連携や知識データの入力を行い、アバターを選択するだけで、AIエージェント機能を搭載したアバターをノーコードで構築できるという。

 両社によって今回開発されたのは、ノーコードでAIエージェントの制作・学習・管理・配信を行えるツール。直感的に操作できるインターフェイスを備えており、自社が契約する生成AIサービスや各種データ等との連携・活用を通じて。オリジナルのAIエージェントを容易に設計できるという。このため、AIエージェントの制作を専門の人材や社外の企業に委託する必要がなくなり、費用と制作時間の削減につなげられるとした。

 こうして制作されたAIエージェントは、店舗や企業受付等で、インターネットにつながっているデジタルサイネージやタブレット端末、Webサイトやメタバースなど、さまざまなメディアやデバイスで展開可能。従来の施設案内や受付業務、展示会などの説明員、チャットボットなどに代わって、対話や接客を24時間365日提供できる。さらに、AIエージェントのアバターデザインは、ツール内に用意されたデザインを選ぶことで、利用シーンに応じて変更可能とした。

 また、企業情報や製品・サービスの情報、キャンペーン内容などの最新データをアップロードするだけで、AIエージェントは学習内容を容易に追加・修正でき、最新情報をタイムリーに反映させることにより、接客や質疑応答の品質を高めて顧客満足度の向上につなげられるとしている。加えて、AIエージェントの稼働状況や顧客との応答履歴は一元管理でき、これらの履歴を学習データやサービスの改善などに活用可能だ。

 今回、ツールの開発にあたっては、DNPがツール設計とともに生成AIの回答精度を向上させるデータ整形技術を提供。BIPROGYが最新のSaaSアプリケーション開発技術を採用して、全体の開発を担当した。

 なお3月11日からは、DNPが推進する「メタバース役所」にて、このツールで構築したAIエージェント機能を搭載したアバターを利用し、実証実験を行っているとのこと。DNPとBIPROGYでは、こうした実証実験を通じて品質を向上させ、2025年度にはSaaS型サービスとして提供する計画だ。

AIエージェント機能を搭載したアバター イメージ