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NEC、ネットワークインフラ建設のモダナイゼーションを実現するソリューションを開発

 日本電気株式会社(以下、NEC)は7日、通信事業者が基地局などのネットワークインフラを設置する際の計画、設計および建設工事などの一連の業務のモダナイゼーションを実現するソリューションを開発したと発表した。同ソリューションの導入により、RANからコアまでにいたるモバイルインフラ全体の構築にかかる所用工数を、従来と比べて約60%削減できるとしている。

 NECでは、ネットワークインフラの構築においては、5Gネットワークの仮想化技術(v-RAN、O-RAN、NFV)の普及に対応するため、クラウドネイティブを前提とした新しいプロセスへの刷新(モダナイゼーション)が求められていると説明。仮想化とモダナイゼーションの相乗効果を図ることで、ネットワークインフラ建設業務の自動化レベルが一層向上していくことが期待されるとしている。

 開発したソリューションは、そうしたニーズに対応するもので、仮想化されたモバイルインフラの構築プロセスの効率化、品質や生産性の向上を実現する。

建設業務のプロセスごとのソリューションの画面イメージ

 ソリューションでは、プロフェッショナルサービスを提供。これまでの仮想化基盤の構築で得られた知見をもとに、ネットワークインフラを構築する際に必要となる置局設計から、建設工事、試験、保守運用、エリア品質管理にいたるまでの業務プロセスを分析し、課題の抽出、ToBe像の立案、モダナイゼーション実行プランの策定を支援する。業務プロセスにおける課題の特定、改善、実行支援、効果測定までコンサルテーションを行い、通信事業者の業務プロセスを効率化し、品質や生産性の向上を実現する。

 また、モバイルネットワークのモダナイゼーションを実現する技術群を、パッケージとして提供。建設業務のプロセスごとに、オペレーションの自動化に必要となる技術群を、ソフトウェアプラットフォームとしてパッケージ化して提供する。これにより、通信事業者はモダナイゼーションの施策の遂行に注力できる。ソリューションはクラウドネイティブに対応する、ソフトウェア設計の一つで、アプリケーションを小さな、独立したサービス群として開発・連携させるマイクロサービスアーキテクチャで構成されるため、オープンかつマルチベンダーの機器に対応できる。

 さらに、運用データのリアルタイムでの確認とフィードバックサイクルの高速化を実現。ネットワークの運用担当者が、稼働している全ての基地局側の運用データをリアルタイムで確認でき、運用側の業務効率化に加え、基地局状況のフィードバックサイクルが高速化されるなど、通信品質の改善にも貢献する。

 NECは、通信事業者向けに、ネットワーク運用業務のDX(モダナイゼーション・ハイパーオートメーション・自動化/自律化)を支援し、ネットワークの仮想化/コンテナ化、クラウドの設計・構築から保守まで、トータルで業務の効率化と最適な運用管理(オーケストレーション)を実現する、「Network and Cloud native Orchestrator」を提供している。今回、開発したソリューションを通じて、ネットワークインフラの建設から運用までライフサイクル全体を最適化し、通信事業者のDXを推進することで、通信事業者による迅速なエリア展開を実現し、収益化に貢献するとしている。