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日立ソリューションズ・クリエイト、サイバーセキュリティトレーニングにAIを攻撃から守るための「AIセキュリティ基礎」を追加

 株式会社日立ソリューションズ・クリエイトは6日、企業のサイバーセキュリティの人材育成、組織体制の強化を支援する「サイバーセキュリティトレーニング」のラインアップに、利活用が進むAIをサイバー攻撃から守るため、脅威やサイバーセキュリティ対策についての知識習得を支援する「AIセキュリティ基礎」(個人向け)を追加し、販売開始した。同コースの提供により、AI開発者、AI提供者、AI利用者などの立場でAIに携わる人材の育成を支援するとしている。

 日立ソリューションズ・クリエイトでは、AI技術の発展に伴い、サイバー攻撃にさらされるAIシステムが増加し、AIに携わる社員・職員が必要となっていると説明。しかし、「サイバー攻撃からAIをどう守るか(Security for AI)」を学べる教育は限られており、知識や実践的なスキルをいかに身に付けるかが課題になっているという。

 こうした状況を受け、日立ソリューションズ・クリエイトは、コンサルティングから最適なセキュリティソリューションの提供、その後のセキュリティ維持まで、顧客のセキュリティ対策を顧客とともに考える「“協創型”セキュリティ」の提供を通じて、企業の継続的な存続と発展への貢献を目指していると説明。2020年11月には、企業におけるセキュリティ人材育成、組織対応力強化を支援するため、セキュリティやハッキングに関して高度な知識を持ち、EC-Councilの認定資格CEHを保有する同社のホワイトハットハッカーが講師を務めるサービス「サイバーセキュリティトレーニング」の提供を開始し、順次ラインアップを追加している。

 今回、サイバーセキュリティトレーニングのセキュリティ人材強化トレーニングメニュー(個人向け)に、適切にAIに携わるための知識習得を支援する「AIセキュリティ基礎」を追加した。

 AIセキュリティ基礎では、「AIとは?」といった基本的な内容から、データポイズニング(AIモデルの学習データを意図的に操作する攻撃手法)や、プロンプトインジェクション(悪意のある命令や隠しコマンドを挿入しようとするもの)などのAIにおける脅威とその対策まで、適切にAIに携わるためのさまざまな知識を学べる。基礎的な知識に加え、現場での経験・体験を踏まえたノウハウや実践的なスキルの習得も可能なため、現場で活躍できる人材の育成をゼロから強力に支援する。

 講義動画では、AI開発者、AI提供者、AI利用者のサイバーセキュリティ対策について、長年AIに関するシステム開発や事業化に向けた研究開発を担当する、日立ソリューションズ・クリエイトのセキュリティ専門家と、講師を務めるホワイトハットハッカーが討議する。日立グループ内で実践している対応方法や、現場での経験・体験談を通じて、「マニュアルの知識」にとどまらないノウハウやスキルを習得でき、AIに携わる社員・職員として活躍できる人材の育成に貢献する。

 講義には、「AIとは?」といった基本的な内容から、データポイズニングやプロンプトインジェクションなどのAIにおける脅威、AIセキュリティの事故・被害事例など幅広い知識やノウハウを盛り込んでいる。今後、AIの利用やAIシステムに携わる際などに、実践的なスキルを習得でき、現場で活躍できる人材の育成が可能。

 また、講義では、実際のサイバー攻撃の脅威を疑似体験できる。日立製作所研究開発グループのノウハウを活用し、ディープフェイクを使ったAI認証システム突破の脅威を体験することで、知識習得だけでなく、実践的なセキュリティ対策ができる人材の育成を支援する。

 AIセキュリティ基礎の価格は1人あたり2万5000円(税別)。講義動画(約3時間、視聴期間1カ月)+ライブ中継による質疑応答(1時間)の価格で、動画配信のみのコースも用意している。

サイバーセキュリティトレーニングのメニュー体系