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ZVC JAPANが新オフィスとZoom体験施設を公開、「多様な働き方に対応する」と下垣社長
2025年1月30日 13:04
米Zoom Communicationsの日本法人であるZVC JAPAN株式会社は29日、2024年10月に移転した新オフィスとZoomソリューションの体験施設「Zoom Experience Hub Tokyo」を報道陣に公開した。
今回のオフィス移転で、同社は初めて国内で本格的な自社オフィスを構えたことになる。ZVC JAPAN 代表取締役会長 兼 社長の下垣典弘氏は、「この移転は、あらためて日本の顧客にZoomが国内の活動に注力することを示している。今後このオフィスを拠点とし、日本の顧客にさらなるプラットフォームの価値を提供していく」と述べた。
新オフィスでは、Zoomを活用した多様な働き方に対応しているという。「社員数約150人のうち、首都圏80km以内の通勤圏内にいない社員も多い。国内だけでなく、海外で仕事をする仲間もいれば、親の介護のため実家で仕事をする社員もいる。個人の状況にあわせて働き方が選択できる」と下垣氏はいう。「通勤圏内にいる社員には週に2回程度出社することを奨励しているが、出社回数を管理することはない。やはり個人がやりたい方法でパフォーマンスを出し、楽しく働いてもらいたいという文化は変わらない」(下垣氏)。
下垣氏は、2024年11月に米国本社が社名をZoom Video CommunicationsからZoom Communicationsへと変更したことについても触れ、「ビデオを基盤としたコミュニケーションプラットフォームから、人と人をつなぐAIファーストのプラットフォームを意味する名前になった」と説明する。AIファーストを示すさまざまな機能も登場しており、Zoom Experience Hub Tokyoではそのデモも体験できるようになっている。
国内の事業については、ビデオ会議のZoom Meetingsはもちろんのこと、クラウド電話のZoom Phoneの導入が進んでいるという。「日本航空やNEC、シャトレーゼなど、幅広い業界で導入されている。多くの顧客がコスト削減や業務効率化に役立っているとして、顧客が新たなユーザーを紹介するような形で広がっている」と下垣氏。また、電話の会話内容をAIに落とし、話している人のスキルを高めるZoom Revenue Acceleratorというプラットフォームの導入も加速しているほか、AIによるクラウドコンタクトセンターのZoom Contact Centerも日本での拡販が始まったという。
さらに下垣氏は、「地域社会や地方自治体、教育、医療といった業界においても、人と人をつなぐコミュニケーションインフラとしてZoomを活用してもらいたい」と述べている。2024年9月に、公共・文教営業本部の本部長として執行役員の野澤さゆり氏が入社したのもそのためだ。
野澤氏は、「当社が目指しているのは、日本の未来をデザインすること。人口減少と少子高齢化が進む日本では、担い手不足が急速に深刻化している。その対策として、デジタル技術を活用した行政運営や、教育、医療機関の運営効率化などの取り組みなどが進みつつある。そこにZoomも一翼を担いたい」としている。
Zoom Experience Hubでは、生成AIアシスタントのZoom AI Companionを活用したデモが披露された。例えば、Zoom Phoneの会話の内容を要約し、次のアクションを提案したり、ボイスメールのメッセージからやるべきことをまとめたりといった具合だ。欠席したミーティングがあっても、AI Companionが要点を簡潔にまとめてくれる様子も紹介された。
AIを活用するにあたっては、セキュリティへの配慮も欠かせない。この点について下垣氏は、「第三者機関のチェックも受けつつ、厳密にコントロールしている」と話す。「基本的なAIポリシーとして、保存したデータを外部に出さないことはもちろん、他社のデータをZoomのAI機能の向上には使わないこともコミットしている。顧客の内部向けのAI機能向上にデータを使うことはあっても、そのデータを外部に販売することも共有することも一切ない」と強調する。
世の中には、チャット内容をその場で消去するアプリや、議事録を残さないツールなども存在するが、「Zoomは人と人をつなぐプラットフォームのため、データは残すようにしている。ただし、残したデータの扱いに関しては厳しく管理している」(下垣氏)とした。
「これからもZoomはAIファーストのプラットフォームを提供していく。Zoom Experience Hubにて、AIでできるさまざまなことを体験してもらいたい」と、下垣氏は新施設をアピールした。