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三菱重工など3社、高効率な空冷技術「二相式ダイレクトチップ冷却」で実証検証

 三菱重工業株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、NECネッツエスアイ株式会社の3社は、既存データセンターの冷却効率を高めるため、「二相式ダイレクトチップ冷却」の実証検証を行う。なお本実証が東京都産業労働局の支援事業に採択されたことも合わせて発表された。

「二相式ダイレクトチップ冷却」におけるコールドプレートの設置メイージ

 今回検証される二相式ダイレクトチップ冷却とは、サーバー内部のプロセッサーに取り付けたコールドプレートに対し、水ではない絶縁性冷媒を二相式(液体/気体)で循環させ、冷却する方式のこと。水を使用しないため、事故などで万が一冷媒が漏洩しても、本体機器が故障する恐れがない。

 AI技術の普及に伴い、サーバー機器の発熱・消費電力増が大きな課題となる中、液体冷却技術の普及が期待されている。しかし、すでに稼働中のデータセンターにおいては、大規模な施設更新が必要なため、事業者の負担増が懸念される。

 二相式ダイレクトチップ冷却は、設備改造の手間を抑えつつ、消費電力の削減に貢献することが期待されている。なお実証にあたっては、三菱重工がプロジェクト統括と冷却技術の提供、NTTコミュニケーションズがデータセンターサービスの提供、NECネッツエスアイがサーバー調達および保守性検証を行う。