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EYと日本IBM、日本企業のDX加速を目指して協業強化 AIソリューション「Work Agent One」を提供
2024年11月28日 08:30
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(以下、EY)と日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は27日、日本企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させるため、国内での協業を強化し、IBMのAIエージェント製品を組み込んだAIソリューション「Work Agent One」を開発したと発表した。EYのコンサルティングサービスを通じて提供を開始する。
Work Agent Oneは、複数のシステム導入で複雑化した業務プロセスによる、担当者の高負荷や属人化の解消を支援するソリューション。EYのコンサルティングサービスによる業務分析・変革の知見やノウハウと、IBMの最先端の生成AI技術を組み合わせて開発された。
中核となるのは、チャットなどの会話形式で指示を受け取り、AIがその内容を理解して、さまざまなサービスやほかの生成AIと自律的に連携しながら、業務を自動で実行するIBMのAIエージェント製品「watsonx Orchestrate」。これにより、散在するシステム/ツールのユーザーインターフェイス(UI)を統合し、製品やサービスの統廃合まで組み込んだ、本質的な業務・システム改革の推進を可能にするという。
企業の担当者は、システム/ツールが統合された作業環境により、業務の高度化や効率化を図れるだけでなく、複数システムへの情報登録や社内調整にかかる作業負荷などから解放される。このため、作業ストレスが軽減されるほか、顧客との対面やアイデア想起の時間を確保できるとのこと。
両社では例えば、製造業界における、特許申請管理業務などで生じる申請物の確認作業の大幅短縮や、開発や品質保証部門などにおける、設計作業への修正依頼や確認・承認プロセスなどの業務の簡略化が期待できると説明。また不動産業界における、施主、金融機関、工事事業者など、複数の関係企業をまたいだ電子契約申請業務などの差し戻し作業などについても削減が見込まれるとした。
なおソリューション提供にあたり、EYは、デザインフェーズと定着化フェーズをメインに支援。既存の業務システムとAIソリューションをつなぐために必要となる、業務やデータフローの清流化支援、実際の現場で必要なボトルネックのあぶり出しなど、業務理解を踏まえたAI活用コンサルテーションを実施する。
一方の日本IBMは、IBM watsonx Orchestrateの製品提供を行うほか、企業や組織とのパートナー・エコシステムを通じた協業を推進することで、実用的なAIソリューションを提供するとしている。