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SCSK、製造現場ソリューション「Duetics」の強化に向けブレインズテクノロジーと協業
2024年9月30日 08:30
SCSK株式会社は27日、製造現場へデジタルを活用したソリューション「Duetics」に、設備機器の異常検知および従業員の作業分析をプログラミングレスかつ自動化された分析プロセスで行うサービスの実装を目的に、ブレインズテクノロジー株式会社と協業を開始すると発表した。
SCSKでは、製造現場では工場内で発生するデータを分析に活用し、生産性向上につながる改善アクションに取り組んでいるが、制御装置や温度を感知するセンサーなどの異常検知においては、個々の設備・センサーに蓄積されたそれぞれのデータを従業員が分析しており、検知精度向上や技術者の作業負荷軽減が課題となっていると説明。
製造現場のデジタル化を支援するソリューション「Duetics」を提供する中で、異常検知領域においてAIやML(機械学習)に精通した専門家を必要とせずに、自動で異常予測モデルを実装する特許を有するブレインズテクノロジーのソリューションを活用することで、これまで以上に設備の異常検知精度の高度化や、手作業におけるミスや工数低減といった課題解決を推進するため、協業に至ったとしている。
Dueticsの異常検知アプリケーションとして、ブレインズテクノロジーの「異常検知ソリューション」Impulseを活用することで、設備・機器の異常検知や従業員の作業分析を自動化し、設備の故障停止や異常動作を事前に防ぐプロアクティブな設備保全の実現や、従業員の作業ミス軽減、作業効率の向上による生産性向上を図る。
従来はデータサイエンティストが必要不可欠であった異常検知を、プログラミングレスで行える。異常検知の予兆に向けた実装だけでなく、異常検知の分析プロセスも自動化されているため、製造現場内でデータ特性に基づく分析ができる。
また、作業品質やパフォーマンス改善を目的とした作業分析を正確に行うためには、作業を行う従業員の挙動を正しく検知する骨格検出と、器具や製品の位置を正しく把握する物体検出という2つの分析モデルが必要となる。Impulseはこれらの分析を同時に行うことで、関連付けされた精度の高い分析を行え、作業誤りの検出による品質改善だけではなく、製品別・工程別の作業時間計測によるパフォーマンス分析による、作業効率化に向けたアクションを可視化できるとしている。
サービスの価格は、異常検知が月額30万円から、作業分析が一括300万円。
SCSKでは、10月のものづくりワールドにおける共同出展を皮切りに、両社の強みを生かしたオリジナル機能の開発を目指すと説明。Dueticsは今後、デジタルツインやCPS(Cyber-Physical System)などさまざまな分野への取り組みを予定しており、ブレインズテクノロジーとも重点協業分野を協議していく予定としている。
また、従来からSCSKが注力してきたERPやMESなどの業務システムソリューションとの連携を強化し、デジタルサプライチェーンを全てカバーするオファリングモデルの確立を目指す。研究開発分野においても、デジタルツインやCAE領域におけるハイブリッドHPCといったソリューションの開発・展開を推進し、Duetics全体として2030年度に売り上げ100億円を目指す。