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NEC、通関業務で必要なHSコードの特定支援システムを開発 生成AIの活用で通関士不足の課題に対応

 日本電気株式会社(以下、NEC)は5日、生成AIを活用し、HSコード(輸出入統計品目番号)の特定をサポートするシステムを開発したと発表した。膨大なノウハウやナレッジが求められる通関士の不足という課題に対し、同システムの提供を通じて、通関士のノウハウやナレッジの伝承に貢献するという。

 HSコードは、国際貿易における輸出入品の分類を統一するために使用される世界共通の分類番号。通関士が適切なHSコードを付与することで、輸出入品の分類を行っているが、HSコードは数が膨大で、その分類は非常に複雑であるため、HSコードの特定には膨大な知識と経験が必要になるという。しかし、輸出入件数が年々増加傾向にある一方、通関士は不足しており、1人あたりの業務負荷が高まりつつあるとのこと。

 NECが今回開発したのは、こうした課題に対応するためのシステムで、HSコードを知りたいアイテム名を入力することにより、HSコードの候補を提示し、その特定を支援可能。また、HSコードの特定にあたって情報が不足する場合は、不足する情報を生成AIが提示することで、HSコードの特定を支援するとしている。

 生成AIを活用することによって、キーワード検索や類義語検索と異なり、「関税率表解説」を理解した回答を導き出せる点が特徴で、例えば、除外規定文などは、文全体を理解しなければ意味を誤ってとらえてしまうリスクがあるものの、生成AIの活用で正確なコードを特定することにつながるとした。

 NECでは、このシステムのさらなる性能向上を図り、2025年度の提供開始を目指す考え。また、現在提供しているEDA/IDA作成支援ツール「関税計算書システム」と組み合わせることで、通関申告業務を一気通貫でサポートするとのことだ。

 なお同社では、このシステムを9月10日から東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2024」にて紹介する。