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ソフトバンク、衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb」を12月に開始

 ソフトバンク株式会社は3日、国内の企業や政府機関、自治体などの顧客向けに、高品質な衛星通信サービス「Eutelsat OneWeb」を2024年12月に提供開始すると発表した。

 Eutelsat OneWebは、静止軌道衛星と比べて地球に近い、Eutelsat OneWeb社の低軌道衛星から電波を発射するため、高速かつ低遅延な通信を実現する。ソフトバンクは、Eutelsat OneWebのサービス展開において、規定の通信速度を保証する帯域保証型の通信サービスなど8種類のプランを提供する。

「Eutelsat OneWeb」の低軌道衛星イメージ

 Eutelsat OneWeb社の衛星通信基盤内のキャパシティーの最適化を図ることで、帯域保証型の通信サービスを実現。通信速度が下り最大195Mbps、上り最大32Mbpsで、静止軌道衛星と比べて約10分の1の低遅延通信となるベストエフォート型の通信サービスも提供する。

 また、ソフトバンクの閉域網サービス「SmartVPN」と、Eutelsat OneWebの「OneWebコアネットワーク」が、インターネットを介さずにダイレクトで接続するため、SmartVPNと併せて利用することで、高セキュアな通信を実現する。

 これにより、地上のモバイルネットワークでは電波が届きにくい山間部やへき地における、建設機械の遠隔操縦や作業の遠隔監視、帯域保証型の安定した通信による映像伝送や遠隔作業、災害時における高セキュアな通信回線の確保など、さまざまな場面での活用が期待されると説明。サービスの提供に先駆けて、防衛省・自衛隊による災害復旧活動などにおけるEutelsat OneWebの活用の可能性についても、共同で検証を実施しているという。

 サービスでは、大容量通信向けの電子式折りたたみ平面アンテナや、車両に搭載して移動しながら衛星通信が可能なアンテナ、Wi-Fi機能が内蔵されているアンテナなどをラインアップとして順次用意する予定で、用途に応じてアンテナを選択することが可能。

「Eutelsat OneWeb」の電子式折りたたみ平面アンテナ
「Eutelsat OneWeb」の地球局アンテナ

 ソフトバンクが顧客のニーズに応じて、通信ネットワーク環境の構築を支援し、アンテナの設置から運用・保守までをサポートすることで、サービスの早期利用開始を実現するとともに、導入後も安心して利用できるようにする。

 ソフトバンクは、Eutelsat OneWebの提供に当たって、顧客が利用するアンテナの包括免許として、関東総合通信局からVSAT地球局および携帯移動地球局の特定無線局包括免許を、7月2日に国内の通信事業者として初めて取得した。また、Eutelsat OneWeb社は、8月6日に総務省から地球局(ゲートウェイ局)の免許を取得した。

 ソフトバンクは、Eutelsat OneWebに加えて、商用化に向けて技術開発を進めているHAPS(High Altitude Platform Station、成層圏通信プラットフォーム)など、宇宙空間や成層圏から通信ネットワークを提供する非地上系ネットワーク(Non-Terrestrial Network)ソリューションを、顧客のニーズに合わせて提供すると説明。あらゆる場所でさまざまな通信がシームレスにつながる環境を作り、社会に貢献することを目指していくとしている。