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2023年の国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービス市場は前年比31%増の1兆3431億円規模、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は25日、国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービスの市場予測を発表した。

 国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービス市場は、デジタル製品/サービス/エクスペリエンスの創出などの「デジタルビジネス」に向けた支援サービスのうち、プロジェクトベースで提供される5種類のサービス(ビジネスコンサルティング、ITコンサルティング、カスタムアプリケーション開発、システムインテグレーション、ネットワークコンサルティング&インテグレーション)を合計した市場と定義している。

 2023年の国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービス市場は、前年比31.0%増の1兆3431億円と推計。国内企業のデジタルビジネス化に向けた取り組みの進展により、コンサルティングからSIなど実装支援サービスまでの、全領域で高い成長を遂げたとしている。

 この内、デジタルビジネス向けのビジネスコンサルティングは、デジタルビジネス戦略の策定から各種のオペレーション変革支援、人事/組織変革からGRC(Governance, Risk and Compliance)の支援まで、幅広い領域で、デジタルビジネスの創造や既存ビジネスからの変革を図るための利用が拡大したという。

 また、ビジネスコンサルティング以外のITプロフェッショナルサービス領域でも、大企業を中心に、新たなデジタルビジネスの創造に向けた案件と、既存ビジネス/本業のデジタルビジネス化を図る案件の双方が需要を牽引したと分析。特に後者では、基幹業務の変革を伴うITモダナイゼーションが成長を促進したとしている。

 2024年以降も、AIを活用した業務変革の支援やビジネスモダナイゼーションの支援が拡大し、変革領域がITインフラストラクチャ領域から業務プロセスとアプリケーションの変革へと移行することや、新たなデジタルビジネスの創出とデジタルイノベーションの支援に向けた需要が拡大することにより、サービス領域全ての分野で高成長を継続すると予測。国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービス市場は、2023年~2028年の年間平均成長率は18.4%で拡大し、2028年には3兆1238億円に達すると予測している。

 IDC Japan株式会社Software & Servicesのシニアリサーチマネージャーである植村卓弥氏は、「伝統的な大企業が多い国内市場ではビジネスプロセス変革を伴うITモダナイゼーションの需要が大きく、支援サービスの市場成長を牽引する。一方で、予測期間の後半(2026年以降)は、新たなデジタルビジネスの創造を支援するプロフェッショナルサービスの重要性が高まる。AI活用の飛躍的拡大はこれらのいずれの市場領域にもプラスの影響をもたらすであろう」と述べている。

国内デジタルビジネスプロフェッショナルサービス市場予測、2023年~2028年(出典:IDC Japan)