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デロイト トーマツ、企業の税務業務をオンラインに集約してワンストップでサポートする「Connected Tax Services(CTS)」を提供

 デロイト トーマツ税理士法人(以下、デロイト トーマツ)は17日、顧客企業の税務関連の情報をオンラインのプラットフォーム上に集約し、税額計算から申告書作成、税務相談、税務調査への対応までワンストップでサポートするサービス「Connected Tax Services(CTS)」を提供開始した。これにより、企業の税務部門は、税額計算や申告書作成などの業務を効率化でき、グローバル規制対応や税務ガバナンス強化など、戦略的でより付加価値の高い業務へ注力できる効果が期待されるとしている。

 デロイト トーマツでは、企業の税務部門を取り巻く環境は多様化・複雑化し、グローバル規制や事業環境の変化、M&A、税務調査、税務ガバナンス強化などの業務への対応に迫られているが、日々の税務業務のフローは従来からあまり変化せず、相談はメールベースであったり、未払税金と税務申告のデータ連携などは担当者間の工夫で対応したりしているのが現状だと説明。

 申告書作成は税制の複雑さから、大企業であっても属人性の排除が難しく、担当者個人の負担が大きい領域で、税務部門がより高付加価値な業務を進めていくためには、こうした「煩雑な管理」と「属人化」は限界にきており、業務のありかたを抜本的に変革していく必要があるとして、こうした課題を解決するために、税務関連業務の共通プラットフォーム「Intela」を開発し、顧客企業との情報のやり取りや事務を一元化するとしている。

 Intelaでは、申告業務に必要なタスクやその進捗管理などの付随業務をシステムで管理する。これにより、税務部門担当者はコア業務に集中することができ、作業効率の向上効果が期待される。

 資料の授受や問い合わせをIntela上で完結させることにより、高度な文書管理が可能。従来の電子メールでの資料授受と異なり、宛先間違いによる誤送信やデータの紛失といったリスクが減り、申告に必要な資料のバージョン管理も簡単になる。

 顧客企業のニーズに合わせて、デロイト トーマツからのニュース発信や、課題を解決するためのサービスを紹介するポータル機能を用意。日本国内の情報だけでなく世界各国の税務関連アップデートやデロイト トーマツの知見を提供する。

 Intelaは、設計と開発において情報セキュリティと多層防御の業界標準プラクティスに従っており、情報セキュリティプログラムは、ISO27001、COBIT、ITILおよびSOC2など業界標準のガイドラインやプラクティスなどに準拠している。そのほか、データを活用した分析サービスや生成型AIの実装による効率化など、さらなるサービス拡充を予定する。

 共通プラットフォームの活用により、担当部門ごとに対応してきた「未払税金計算」や「税務申告書作成」「税務相談」「税務調査対応」といった各業務を、Connected Tax Services(CTS)で相互に連携させることで、デロイト トーマツがワンストップのサポートを提供する。プラットフォーム上に情報が集約されているため、論点の抜け漏れを防ぎ、企業は決算・申告時に効率的に作業を進められる効果も見込める。

 デロイト トーマツのこれまでの知見・経験を集約した標準フォーマットやQuestionnaire(質問書)を用意し、企業に活用してもらうことで、税務品質の向上と企業の税務業務の効率化が期待できる。

 さらに、税務相談履歴がプラットフォームに蓄積されるため、有益な情報を部門内で共有し、引き継ぐことが可能となり、業務の属人化を防ぐ。

 また、これらのサービスはグループ会社に対しても提供可能で、子会社が親会社に対しCTSの閲覧権限を承諾すれば、親会社は子会社の税務申告や税務相談の内容を容易に把握でき、税務ガバナンスの一助になるとしている。