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CTCと米Liquid AIがエッジAIソリューションの開発で協業、エッジデバイスでの処理能力の向上を目指す

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は21日、マサチューセッツ工科大学発のスタートアップである米Liquid AIと、エッジAIソリューションの開発に向けた協業を開始したと発表した。

 Liquid AIでは、最小限の処理能力で順応性の高い機械学習を可能にする手法「Liquid Neural Network(LNN)」を開発している。このLNNでは、事前に学習したデータから逸脱した未知の環境、あるいは予期せぬ状況に対しても、柔軟な学習が可能となるため、ドローンや車両の自動運転への活用に期待されているとのこと。

 例えば、一般的な機械学習のモデルでは約10万個のニューロンを必要とする自動運転に関する計算を、LNNでは19個のニューロンで算出し、同等の結果を得ることが可能で、エッジデバイスや利用者の近くに設置する小型コンピュータで動作するので、これまで膨大な計算コストを必要としていたAIシステム基盤の縮小にもつながり、電力消費量、CO2の排出量の削減を図れるという。

 今回の協業では、カメラを活用したエッジAIソリューションの提供や、データ分析基盤の構築においてCTCが培ってきたノウハウと、Liquid AI社のAIを融合し、カメラソリューションや自動運転、ドローン管理などのエッジAIソリューションの開発を進める考えだ。

 なおCTCは、海外のスタートアップとより強固なパートナーシップを構築し、ビジネスの共創につなげる取り組み「NAPP(North America Partnership Program)」を2023年4月から開始しており、今回の協業はその一環としている。