ニュース

NEC、金融機関のITモダナイゼーションを支援するプログラムを提供

 日本電気株式会社(以下、NEC)は2日、銀行、証券、保険などの金融機関に対し、「金融機関向けモダナイゼーションプログラム」として、ITシステムのモダナイゼーションを支援する各種商材をメニュー化し、提供を開始した。

 金融機関向けモダナイゼーションプログラムは、金融機関の戦略やIT環境に合わせて、アプリケーション・開発手法・通信プロトコル・基盤・データ・運用の6つのカテゴリを組み合わせ、コンサルティングからデリバリー、マネージドサービスまでをトータルに提供することで、既存のIT資産を活用した実現性の高いモダナイゼーションを可能にし、金融機関の持続可能な成長を支援する。

 NECでは、デジタル化の加速など金融機関を取り巻く環境は急速に変化しているが、金融機関は所有しているIT資産が非常に多く、これらを全面刷新して対応するのは社会インフラとして高いレジリエンシーが求められる金融機関において、リスクが高く非現実的と言えると説明。また、競合が多様化する中で、金融機関は差異化領域への要員の再配置など、持続可能なシステム開発・運用体制の整備が必要になっているという。

 そこでNECは、既存のIT資産を有効活用し、段階的かつ実現性の高い変革を支援するソリューションとして、金融機関向けモダナイゼーションプログラムを提供し、金融機関の経営課題の解決とDXの加速を支援していくとしている。

 プログラムでは、大手金融機関など過去のモダナイゼーションの実績を生かし、各金融機関の戦略、現行システムの状況に合わせ、モダナイゼーションの現実的な解を見つけるコンサルティングサービスを提供する。構想策定、計画策定にとどまらず、運用定着に至るまでを伴走する。

 また、金融領域において必要なレジリエンスや、FISC安全対策基準に対応したセキュリティレベルを確保するためのベストプラクティスである、リファレンスアーキテクチャを定義する。このアーキテクチャにより、安全性を確保しつつ、将来の変化に対応できる柔軟性や迅速性を備えたシステムを実現する。一例として、セキュリティを確保しつつ、社内外システムとの柔軟な連携を可能にする、金融版セキュアクラウドプラットフォームの提供を3月に開始予定としている。

 さらに、NEC印西データセンターから、低レイテンシーでセキュアなマルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境を実現する、ハウジングサービスとネットワークサービスを提供する。金融機関は、自社の戦略や現行システムの状況に合わせ、最適なクラウド環境を選択できる。

 NECは、デジタル技術を活用したオープンイノベーションやエコシステムの形成を支援する研究会「API Economy Initiative」を運営しており、今後、モダナイゼーションをテーマとしたワーキンググループを新たに立ち上げ、金融機関同士のナレッジ共有やハイパースケーラーとの戦略的連携を支援する。

 NECは、プログラムを中心とした金融機関向けのモダナイゼーション事業において、今後3年間で500億円の売り上げを目指す。