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NRI、個別企業向け生成AIソリューション「プライベートLLM」を2024年春に提供

 株式会社野村総合研究所(以下、NRI)とNRIデジタル株式会社は11日、データ漏えいリスクを極小化する生成AIソリューション「プライベートLLM(大規模言語モデル)」を、2024年春以降に提供する予定だと発表した。

 ソリューションは、金融機関など、特に高いレベルの情報セキュリティ統制を必要とする企業が利用することを想定したサービス。米MetaのLlama 2をはじめとする基盤モデルが公開されたLLMを、NRIのデータセンターで稼働するプライベートクラウドサービスや、企業自身が運用するオンプレミス環境で動作させることで、機密・機微情報を安全に扱うことを可能にする。金融機関などが求める、高レベルの情報セキュリティ統制にも対応可能となる。

「プライベートLLM」ソリューションのメニュー体系

 生成AIの活用においては、OpenAIのGPT-4などに代表される外部サービス型LLMにどこまで機密・機微情報を送信してよいのか、という点が大きな懸念事項となっている。ソリューションでは、ソリューションでは、より機密性が高い学習時点のデータの漏えいリスクも極小化した上で、各社の業務に最も適した形でLLMをカスタマイズする。

 Llama 2など、基盤モデルが公開されたLLMの性能は、現時点では外部サービス型LLMには及ばないものの、企業が持つデータを利用してカスタマイズすることで、タスク内容によっては業務に適用可能な水準の性能を発揮することが期待できるとしている。

 また、LLMに音声認識機能を組み合わせると、例えばコンタクトセンターや対面での問い合わせ対応など、適用できる業務の幅が大きく広がるため、個人を特定することが可能な音声データの漏えいリスクを極小化する「プライベート音声認識」モジュールなど、周辺モジュールも提供していく。

 NRIとNRIデジタルは、今後も企業や個人のニーズに合わせて最適化された生成AIを活用できるよう、各種サービスの開発に積極的に取り組んでいくとしている。