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AIの2024年を予想する 「State of AI」レポート

2022年版の予測は「5勝3敗1分け」

 そして、経済。2023年は低調なハイテク市場の中、ひとりAIが気を吐いた。レポートでは、2023年の生成AI新興企業への投資は、ベンチャーキャピタルと企業あわせて180億ドルを超えたとしている。

 この投資の背景にあったのが、LLMは規模が大きくなるほど能力が高まるという「スケーリング則」だ。このため、大規模モデルの訓練に必須であるGPUの争奪戦が繰り広げられた。この傾向は、2024年になっても変わらず、さらに巨額の資金がAI開発に投入されるという。

経済面の予測は4項目。

  • テックIPO市場が動き出し、AIに特化した企業が少なくとも1社大型上場する
  • 1つの大規模モデルの訓練に10億ドル以上を投じるグループが現れる
  • 金融機関がGPUのファンドを立ち上げ、ベンチャーキャピタルのエクイティ資金に取って代わる
  • 推論ワークロードとコストの大幅上昇を受けて、大手AI企業が推論に特化したAIチップ企業を買収または設立する

 4項目のうち3つまでが、GPUやAI利用に特化した半導体の投資にかかわるものとなっている。残る「AIに特化した企業の大型上場」では、例としてDatabricksを挙げている。同社は統合データ分析プラットフォーム企業だが、7月に買収した生成AIスタートアップMosaicMLとの組み合わせで、企業の独自LLM構築を支援する計画だ。

 State of AIは毎回、前年の予想が当たったかの自己判定をしている。2022年版では、9項目のうち「イエス」が5項目。「ノー」が3項目。「判定不能」が1項目だった。外れは以下の通りで、括弧内はその理由。

  • 「Deepmindが、同社の「GATO」の10倍にあたる100億パラメータのマルチモーダルAIを発表する」(この方向で開示された研究はまだない)
  • 「NVIDAI支配の下で、知名度の高い半導体スタートアップが閉鎖、あるいは安価に買収される」(大きな閉鎖や買収はなかった)
  • 「AIラボに病原体研究レベルの規制を行う提案が、英米欧で政治家の支持を得る」(規制を求める声は高まっているが、そこまでの支持の声は出ていない)

 これらは結果としては外れたが、決して方向で間違ってはいないように見える。ますます変化が加速するAIの世界で、具体的な予測をするのは至難の業だ。2024年の予想はどうだろう――。