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NTT東日本、ウェアラブル端末活用の安全管理・体調管理ソリューションでイスラエルのBinah.aiと協業

 東日本電信電話株式会社(以下、NTT東日本)は12日、イスラエルのスタートアップであるBinah.ai(以下、ビナー)と、ウェアラブル端末の活用による従業員の安全管理・体調管理の分野をはじめとしたサービスの開発・提供に向けた協業を開始したと発表した。

 NTT東日本では、製造業や建設業などの作業現場において、転落・墜落、転倒災害の防止、熱中症の予防、事故発生時の早期発見や対処が課題となっており、さらにほぼ全ての産業が高齢化・人手不足と向き合わねばならず、身体に負荷のかかる作業環境や業務内容のある業種を中心に、雇用確保の観点でもこれまで以上に従業員に対する安全管理・健康管理が求められていると説明。

 こうした課題への対応として、NTT東日本ではウェアラブル端末やIoTセンサーにより測定される従業員一人ひとりの心拍数や位置情報、転倒/停滞検知情報などをクラウド上で処理蓄積し、状態の一元管理および管理者・従業員本人への通知等へ活用することで、従業員の健康と安全を見守り安心を提供するソリューション「Wearable Connect(以下、ウェアラブルコネクト)」の提供を行っている。

 一方、ビナーでは、信号処理とAIを融合させた独自技術により、心拍数、呼吸数、心拍変動(HRV)、ストレスレベルなど高精度のバイタルサインの測定を可能とする「Binah.aiソリューション」を開発・提供している。これまでは、スマートフォンなどのカメラを用いた顔や指でのスポット測定を実現していたが、現場作業などでの安全管理・健康管理においては、常時継続的なモニタリングが必要であり、このニーズに対応するため、2023年10月からウェアラブル端末などの活用を想定したPPGセンサーをサポートする「Binah Connect」の提供を開始している。

 こうした背景を踏まえ、NTT東日本とビナーは協業を開始し、協業における取り組みの第一弾として、NTT東日本の「ウェアラブルコネクト」の新しいラインアップとして、ビナーのソフトウェア「Binah Connect」の各機能を利用できる連携対応を開始する。

 ウェアラブル端末に搭載されているPPGセンサーおよび、Binah Connectにより測定されたデータを、ウェアラブルコネクトのクラウド上で処理蓄積し、各作業員の測定データを一元管理する。ウェアラブルコネクトの通常機能により測定される心拍数や加速度、位置情報に加え、Binah Connectにより多様なバイタルサインの取得が可能となる。各データの異常を検知した際に、本人や管理者の端末等にアラート通知を行うことで、作業者の不調や事故等の早期発見を可能とし、事故などの発生時における初動対応の迅速化を実現し、労働災害防止に貢献する。

 ウェアラブルコネクトとBinah Connectの組み合わせにより、作業者の心拍数や位置情報に加え、心拍変動をもとにしたストレスレベルやウェルネススコアなど、多様なバイタルサインの測定値をもとにした状態の一元管理・アラート通知を通じて、より高度な安全管理・健康管理ソリューションの提供を目指す。