ニュース

2027年の国内IoT市場は9兆1877億円規模、物流や医療の分野で需要が高まる~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は1日、国内IoT市場について、2022年の実績と2027年までの予測に関するアップデートを発表した。国内IoT市場におけるユーザー支出額は、2022年の実績が6兆818億円、2022年~2027年の年間平均成長率は8.6%で、2027年には9兆1877億円に達すると予測している。

 IDC Japanでは、今回の調査によると、農業フィールド監視、スマート倉庫管理、院内クリニカルケア、テレマティクス保険などのユースケースで成長性が高いことが明らかになったと説明。これらのユースケースについて、2023年~2027年の予測期間を通じて、年間平均成長率12~15%の高い成長を見込んでおり、こうしたユースケースを中心に、IoT市場全体として支出額が堅調に増加すると予測している。

 また、2024年4月の労働時間規制の強化により、物流や医療の分野で人手不足の影響が強まり、業務効率化に資するIoTソリューションの需要が高まると予測。さらに、高性能なカメラを内蔵するスマートフォンの普及による、画像センサーの価格下落に伴う監視カメラの低価格化と、画像認識AIの技術進化を背景に、画像に関するユースケースでIoTソリューションの導入が増加していることや、IoT向けの通信では、2022年3月に機能仕様を凍結した3GPPのリリース17に含まれるNTN(Non-Terrestrial Network)準拠のNB-IoTなどに対応した、IoT向けの衛星通信サービスが利用できるようになりつつあるとしている。

 IDC JapanのInfrastructure & Devicesリサーチマネージャーである山下頼行氏は、「SIerや通信事業者は、人手不足の影響でIoTソリューション市場が成長する物流分野に注力すべきである。また、テクノロジー別では、高い成長率が見込まれるアプリケーション、セキュリティ、アナリティクスのソフトウェアや、IoTプラットフォームなどの開発に注力すべきである」と述べている。

国内IoT市場 支出額予測、2022年~2027年(出典:IDC Japan)