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KDDI、シスコ、富士通、電力使用量を約40%削減したメトロネットワークの本運用を開始

 KDDI株式会社、シスコシステムズ合同会社(以下 シスコ)、富士通株式会社の3社は10月31日、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した地域網内ネットワークであるメトロネットワークの本運用を開始したと発表した。

 同メトロネットワークは、WDM用光信号を直接送受信することが可能なシスコ製ルーター「NCS5500」シリーズと、オープンインターフェイスで他社製品と接続が可能な富士通製Open Line System(OLS)「1FINITY」シリーズを利用することで、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合した構成を実現した。

 この構成は、低消費電力化、省スペース化、迅速な設備拡張が可能。従来外付けで設置していたWDM用トランスポンダを実装するための筐体が不要になることで、消費電力の削減と機器設置スペースの節約を実現しており、電力使用量を従来構成と比べて約40%削減する。WDM用トランスポンダは、小型化され光モジュールとなり、シスコ製ルーターに実装されており、この光モジュール自体も半導体製造プロセスの改良により低消費電力化されている。

 メトロネットワークの局間伝送路で採用した富士通のOLS「1FINITY」シリーズは、オープンインターフェイスに対応し、他社製品を含むさまざまな機器との接続が可能。そのため、局間の伝送容量を拡張する際も、ルーター側のハードウェア増設や設定変更のみで容量の拡張ができ、将来の通信トラフィックの増大に応じて迅速な対応が可能となる。

 KDDIでは、2021年から一部エリアのメトロネットワークにこの構成を導入しており、今回、安定運用の実績が確認できたとして、5G、auひかり、法人VPNなど複数のサービスを収容して本運用を開始。2028年度末までに、IPレイヤーと光伝送レイヤーを融合したメトロネットワークを全国展開していくとしている。

 KDDIは、低消費電力で大容量化を実現できるオールフォトニックネットワークの構築を推進しており、IPレイヤーと光伝送レイヤーの融合は、オールフォトニックネットワークに向けた最初の取り組みになると説明。今後も、電力消費量削減に寄与するアーキテクチャの導入とネットワークのオープン化により、サステナブルなネットワークを実現し、CO2排出量削減に貢献していくとしている。

 シスコは、Beyond 5G時代を見据え、すべての人にインクルーシブで持続的な社会を実現するために、ネットワークとデバイスの運用の簡素化や自動化といったネットワークの高度化に向けた技術拡充を図り、CO2排出量実質ゼロの実現などサステナブルな社会の実現にむけて、顧客により良い価値と体験を創出するサービス提供に今後も取り組んでいくとしている。

 富士通は、5Gおよび6Gテクノロジーから光バックボーンネットワークまで、レジリエントでヒューマンセントリックな未来のネットワークづくりを推進しており、ネットワークの低消費電力化を実現する製品を広く市場に展開することで、通信事業者のカーボンニュートラル化を支援し、持続可能な社会の実現に貢献するとしている。

メトロネットワークの構成イメージ