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ネットワンシステムズ、VMwareとエッジコンピューティング領域で協業

 ネットワンシステムズ株式会社は27日、社会のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため、エッジコンピューティング領域において米VMwareと基本合意書を締結したと発表した。

 ネットワンシステムズは、デジタル技術でビジネス変革に取り組む企業にとって、データ利活用はビジネスの意思決定の迅速化、新たなビジネスやサービスの創出など、企業や組織の競争優位性の源泉、かつ重要な資産になると説明。データ利活用には、大量のデータと高速な処理速度に対応できる、低遅延で負荷が軽減されたネットワーク、高度なセキュリティが実装されマルチアクセス可能な環境が必要であり、データに近い場所で処理や分析を行うことでこれを実現する、分散型アーキテクチャ「エッジコンピューティング」への期待が高まっているため、VMwareと共同で取り組んでいくことを決定したとしている。

 ネットワンシステムズでは、強みであるインフラシステムにおける技術力や知見をもとに、VMwareのエッジコンピューティングソリューションを活用し、センサーやロボットなど大量のデータを生み出す環境をもつ製造業、電力・ガスなどのユーティリティ事業者、リアルタイム分析によるサービス提供が必要な市場へアプローチしていくと説明。将来的には、デバイスやアプリケーションの高度化を背景に、あらゆるネットワーク・クラウド領域での分散アーキテクチャが必要となるため、通信/テレコムエッジ、社会インフラなどのさまざまな市場にもサービスを提供していく。

 VMware Edge Compute Stackは、エッジコンピューティングにおける一貫した運用管理とセキュリティを提供するソリューションスタック。VMwareのさまざまなソリューションを組み合わせることで、企業や組織は、エッジ、クラウド、データセンターのマルチクラウド全体で、コンテナや仮想マシン上のアプリケーションの迅速な構築、安定かつ統合的な運用を行うことを可能とする。

 取り組みの一つとして、ネットワンシステムズでは、VMware Edge Compute Stack上でComputer Visionを利用する技術検証を実施している。Computer VisionはGPUを活用し、カメラ映像上で、物体検出、転倒検出、盗難検出など、さまざまな業種・シーンで利用できるソリューションの開発を目指している。特に製造業においては、製造工程における欠陥の特定、製造ライン内への人の侵入を検知可能なセキュリティ確保の実現などを想定している。

 技術検証は、ネットワンシステムズが5月に開設した「イノベーションセンター netone valley」で実施。同センターでは、最新技術を活用し、顧客が次世代のテクノロジーを体験できる環境を用意している。データ取得・可視化ツールを導入しており、建物内で生まれるさまざまなリアルタイムデータの取得、活用、および技術検証を、スピード感と現実性をもって実施できる。今後は、VMwareが発表した「VMware Edge Cloud Orchestrator」の技術検証にも取り組み、少数のIT人材での多拠点展開やソフトウェア、ハードウェアのライフサイクル管理の実現を目指す。

 ネットワンシステムズは今後、エッジコンピューティングに関する取り組みを、ソリューションからEdge as a Serviceへと拡張することで、データ利活用基盤の運用、設備投資に対する考え方を変化させていくと説明。合わせて、マルチクラウド環境全体に対してインフラストラクチャー自身のデータを元にしたセルフアシュアランス、予兆検知などの事前対応が可能となる自律型ネットワークインフラを目指し、2024年にはネットワンシステムズが開発を進めているNaaSソリューション、XaaSベンダー、インダストリアルアプリケーションベンダーなどとのソリューション連携を含め、統合的なマネージドサービスの提供を目指していくとしている。

Computer Visionを活用した技術検証構成(場所:netone valley)