ニュース

NEC、自治体による避難行動要支援者の個別避難計画立案を支援する「NEC避難行動支援サービス」

 日本電気株式会社(以下、NEC)は28日、高齢者など、避難行動要支援者の災害時避難を支援する「NEC避難行動支援サービス」を、同日より販売開始すると発表した。2024年2月から順次提供を開始する予定。

 災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障がい者など、避難行動要支援者の逃げ遅れを防ぐための対策が求められている中で、多くの自治体では、個別避難計画を紙で運用しており、作成時や更新時の自治体職員への負荷が大きいほか、紙の個別避難計画では地域コミュニティへの共有が難しく、災害時に実効性が伴わないなどの課題があるという。

 今回発表されたNEC避難行動支援サービスは、従来は紙で運用していた個別避難計画をデジタルで作成・管理するサービス。作成した計画を地域の民生委員や町内会などの支援者と情報共有することで、地域全体で要支援者を守り、災害時の逃げ遅れを減らすことに貢献するとした。

 具体的なメニューとしては、個別避難計画作成支援サービスと共助避難支援サービスから構成される。前者は、タブレットなどのインターネット端末を用いて個別避難計画を作成し、避難にかかわる情報の入力・更新を行えるもので、システムをLGWAN-ASP上に構築することにより、自治体職員だけではなく、地域の支援者なども、セキュリティを担保した上で庁舎外から利用できるため、自治体と地域コミュニティ間での情報共有が容易になるという。

 また、避難行動要支援者名簿の作成・管理機能も備えており、導入済の名簿作成システムからのデータ移行も行える。

 価格は月額15万円(税別)からで、自治体の人口規模に応じて決まる。また別途、初期費用が必要。提供開始は2024年2月の予定。

 一方の共助避難支援サービスでは、災害時に地域の支援者に対してSNSアプリによるプッシュ通知で支援要請の旨を伝え、事前に作成された個別避難計画の情報から、サポートすべき要支援者の住所や避難所までの避難経路などをガイドする。これにより、経験の少ない支援者でも円滑に支援を行えるとのこと。

 さらに、要支援者の安否や避難状況を集約し、インターネット端末から確認できる機能も備えた。安否不明や避難未完了など、要支援者の状況に加え、活動可能な支援者をリアルタイムに把握することにより、自治体職員や地域コミュニティによる迅速なフォローを可能にするとしている。

 こちらの価格は、現時点では未定。開始予定は2024年12月となっている。