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日本アクセス、富士通のAIを活用した買い掛け照合サービスを導入

 総合食品卸売業の株式会社日本アクセスは2日、富士通株式会社が開発したSaaS型AIサービス「Fujitsu買掛照合AIサービス」を取引メーカーとの買い掛け照合業務の効率化を目的に導入し、2023年4月に運用を開始したと発表した。

 食品卸売業界では、消費者の多様なニーズに応えるため、多くの取引メーカーとの買い掛け照合業務に膨大な時間と人手がかかるといった共通の課題があるという。日本アクセスでは、約80人が手作業で買い掛け照合業務を行っているが、作業負担の軽減と人為的なミスへの対策が課題となっていた。こうした業界共通課題や日本アクセス固有の課題を解決するため、日本サクセスは富士通との協働により、サービスの導入効果や、導入後の業務モデルの検証を重ねてきた。

 経理業務では、食品メーカーなどの取引先への請求データと自社台帳データの突き合わせを行い、会計帳簿に記載された買掛金の消し込み作業がある。

 Fujitsu買掛照合AIサービスでは、AIが過去の照合実績をもとに商品名や届け先名などを学習し、明細単位での各社請求データと自社台帳データの照合を行い、さらに照合された明細に対しては、一致するデータのパターンによって照合結果の正確性を示す消し込み確度を提示する。

 消し込み確度の高い明細に対しては“確度A”、消し込み確度の低い明細に対しては“確度E”といった重み付けをすることにより、消し込み確度の高い明細は手作業での照合を簡素化、確度の低い明細はより重点的に確認を行うといった、手作業による再照合の効率化が可能となる。また、照合ミスなどのヒューマンエラー削減にもつながり、スタッフの心理的負担の軽減にもつながる。

 日本アクセスが富士通で数カ月間実施したトライアルでは、買い掛け照合業務に従事するスタッフ稼働時間の削減効果が確認できたことから、2023年4月に運用を開始した。今後、2025年までに年間で約1万2000時間の削減を目指し、約2年間の移行期間で、約600社の取引メーカーの買い掛け照合業務においてサービスを利用する予定。一方で、依然として多くの取引メーカーとの間で、紙の請求書でのやり取りが残っており、これをデータ化していくことで、本サービスの活用範囲の拡大に取り組むとしている。

「買掛照合AIサービス」の概要