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日本TCS、SAP Signavioを活用したSAP S/4HANA移行支援サービス「TCS ConvertCore+」を提供

 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社(以下、日本TCS)は16日、SAPのプロセスマイニングツール「SAP Signavio」と、日本TCSのS4HANA移行支援ツール「TCS ConvertCore」を組み合わせた、新たなSAP S/4HANA移行支援サービス「TCS ConvertCore+」を提供開始した。

 サービスは、ツールを活用したプロセスの可視化・整流化と、SAP S/4HANAへの移行を円滑にする事前アセスメントの2つで構成される。

 ツールを活用したプロセスの可視化・整流化では、現在の業務プロセスをSAP Signavio Process Managerで整理し、各業務の流れやインプット・アウトプット、関係するリソースを可視化する。これにより、机上で全体像を把握し、改善すべき箇所のあたりもつけられる。その全体像に対して、シミュレーションなどの手段を活用して今後のあるべき業務プロセスを設計。シミュレーションにより得られるコストや時間の見込みをもとに、「As-Is(現状)」と「To-Be(理想)」を比較することで、プロセス最適化を進める。

 現状の可視化に際しては、状況に応じてプロセスマイニングの技術も活用する。標準から逸脱したプロセスは内部統制上の大きなリスクにもなるため、SAP Signavio Process Intelligenceでのプロセスマイニングにより、イレギュラー、ルール逸脱といったボトルネックとなるプロセスを発見し、そのデータをBPMN図(業務プロセスモデル図)に変換し、効率的に「To-Be」の検討を進める。

 SAP S/4HANAへの移行を円滑にする事前アセスメントでは、SAP S/4HANAへの移行を適正なコストで迅速に行うための支援を行う。日本TCSは、TCS ConvertCoreフレームワークに基づく事前アセスメントサービスを提供しており、このフレームワークの一部の機能であるアセスメントツールを利用することで、効率的な移行計画の立案を支援する。その際に、状況に応じてSAP Signavio Process InsightsなどのSAP S/4HANA分析ツールも活用し、迅速に現状を把握する。

 TCS ConvertCoreは、SAP S/4HANAへの移行を効率的に実施するためのアセスメントツールと、移行に必要となる作業の効率化をサポートする各種ツールや方法論によって構成される。TCS ConvertCoreは、移行の前にアセスメントを実施することにより、移行時の影響事項や範囲を推測するためのビジネスケースの抽出、移行に着手する前に必要な前提条件を決定する。既存機能の移行に加え、追加すべき機能を特定できるなど、移行時にどのような作業が必要となるかを事前に予測できるメリットも得られる。

 また、アセスメントの結果をもとに、テスト方針、移行プロジェクトにおける、顧客とTCSとの役割分担、SAP S/4HANA要件(Fiori使用など)を確認し、移行を実施するために顧客が作成するプロジェクト計画書に必要となる各種情報をTCSが提供する。TCS ConvertCoreを利用することで、事前調査を行い、修正、変更箇所の予測などを手戻りなく、効率的にできるため、適正なコストで迅速にSAP S/4HANAへの移行を支援する。

 日本TCSでは、SAP S/4HANAへの移行による一時的な改善だけではなく、SAP Signavioの効果的な活用による継続的な業務プロセス改革に取り組んでおり、SAP S/4HANAの導入や移行における課題の特定、リスクの回避、導入後の継続的な業務改善に貢献するとしている。