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Google Cloudとアクセンチュア、小売業向けクラウド技術活用の支援を拡大

 Google Cloudは米国時間15日、Accenture(以下、アクセンチュア)と、小売業者のビジネスのモダナイズとクラウド技術の活用を支援する新たな取り組みを発表した。取り組みには、データ分析、AI、商品検索におけるGoogle Cloudの主要機能の統合と、アクセンチュアの「ai.RETAIL」プラットフォームのアップデートが含まれ、両社は共同顧客の成功事例をもとに、店舗運営の変革に必要なテクノロジーとリソースを小売業者に提供するための「Go-To-Marketイニシアチブ」に取り組むとしている。

 アクセンチュアのai.RETAILは、小売業者がデータと人工知能(AI)をより効果的に活用して、顧客獲得、価格設定とプロモーション、取扱品目、サプライ チェーンなどの一般的なシステムやプログラムを最適化できるよう支援する統合ソリューション。今回の取り組みにより、小売業者はai.RETAILプラットフォームをGoogle Cloud上に実装でき、複数のGoogle Cloud製品および機能と統合できる。

 ai.RETAILには、アクセンチュアのインテリジェントサプライチェーンプラットフォームを利用したサプライチェーンコントロールタワーが搭載されている。LookerやBigQueryなどのGoogle Cloud製品との統合により、ユーザーはデータをより適切に整理し、調達、物流、在庫、販売といった最も重要なサプライチェーン指標をリアルタイムに表示できるようになる。これにより、小売業者は「what if」シミュレーションの実行、需要予測の調整、在庫計画の改善、サプライチェーンセグメンテーションの戦略策定などを行える。

 また、ai.RETAILは、Google Cloudの小売業向けDiscovery AIソリューションを活用して、Google品質の検索機能による検索の放棄を減らし、パーソナライズされたレコメンデーションを大規模に配信し、買い物客が画像で商品を見つけやすくなるよう支援する。アクセンチュアのCustomer Data ArchitectureおよびGoogle CloudのCustomer Data Platformとの統合により、小売業者はデータのサイロ化を解消し、AI や機械学習を用いた予測型マーケティングを推進できるようになる。

 BigQuery、Looker、Vertex AIを使用するai.RETAILは、新たに店舗クラスタリング機能を搭載し、小売業者が同様の特性を持つ店舗を特定、グループ化、最適化し、品ぞろえ、スペース管理、在庫戦略を改善できるよう支援する。これには、特定の商品を維持、削減、排除するかどうかの推奨も含まれ、個々の店舗または店舗クラスターでフィルタリングし、全体的な販売実績の向上に寄与する。

 Google Cloudとアクセンチュアでは、今日の小売業者が直面する複雑な課題に対処するための幅広い新しいイニシアチブでも提携していると説明。これには、ai.RETAILのインテリジェンスによる顧客、従業員、店舗における体験の最適化、両社の他のテクノロジーやサービスの活用などが含まれる。

 小売企業は、エンドツーエンドの運用に関する知識が向上することで、アクセンチュアとGoogle Cloudのテクノロジーを適用して、ビジネスの基本的な要素をモダナイズできると説明。例えば、Google Distributed Cloud Edgeの技術を利用すると、店舗や工場などにおいてクラウド インフラストラクチャをシームレスに統合、拡張できるようになる。また、商品検索の改善、ブランド ロイヤリティの強化、法規制の順守による顧客信頼度の向上などの用途にも活用できるとしている。