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富士通、データ&セキュリティ領域の強化に向けイスラエルに新研究拠点を設立

 富士通株式会社は28日、研究開発リソースを集中している5つの技術領域のひとつである、データ&セキュリティ領域の研究開発や人材採用をさらに加速するための新拠点を、欧州の中核研究拠点であるFujitsu Research of Europeの分室として、イスラエルに設立することを決定したと発表した。今後、イスラエルの人材採用や、日本や欧州から研究者を派遣するなど研究体制の整備を進め、2023年4月に活動を開始する。

 研究拠点は、2021年にイスラエルのBen-Gurion University of the Negev(以下、ベングリオン大学)内にAIセキュリティ領域の研究拠点として設立した「Fujitsu Cybersecurity Center of Excellence in Israel」に続く、データ&セキュリティ領域の2つ目の研究拠点となり、AIセキュリティに加え、ネットワークセキュリティの技術開発を強化していく。

 研究拠点では、データの発信元などのリアル空間におけるフィジカル情報に基づいてトラストを担保できる、新たな技術開発に取り組む。ベングリオン大学などが持つ、サイバーやネットワークにおけるセキュリティの知見と、富士通が持つトラストの技術やノウハウを組み合わせることで、リアルとデジタルが融合した新しいネットワークセキュリティトラストの研究を行い、その成果をグローバルに展開していく。

 また、自動運転やセルフレジ、監視カメラといった幅広いシーンで活用が期待される、画像の中から特定の物体の位置や種類などの情報を認識する物体検知AIへの攻撃の対策などの技術を、研究拠点を中核とした人材交流を推し進めながらグローバルに社会実装していくことで、社会課題の解決に貢献していく。

 また、今後、同研究拠点を中心にベングリオン大学をはじめとするイスラエルの大学やスタートアップ企業とも連携を深めて、新しいネットワークセキュリティトラストの研究や、画像の中から特定の物体の位置や種類などの情報を認識する物体検知AIへの攻撃に対する対策技術の開発など、富士通の技術や外部の優れた技術の社会実装を順次グローバルに展開していくとしている。

 富士通は今後、これらの研究拠点における技術開発の取り組みを通じて、リアルとデジタルが融合したボーダレスワールドに不可欠な社会インフラである、ネットワークやAIのトラストを実現する高度なセキュリティ技術を確立させることで、安心安全な世界の実現を目指すとしている。