ニュース

アライドテレシス、セキュアなWANをワンストップで提供するSASEサービスを発表 帯域オートスケールにも対応

 アライドテレシス株式会社は8日、セキュアなWANサービスに求められる機能を統合的に提供する帯域オートスケール対応SASEサービス「Allied SecureWAN」を、2023年1月から提供すると発表した。

 同日には、新たなSASEサービスを提供する背景やサービス概要、ユースケースについて説明会が行われた。

帯域オートスケールに対応したSASEサービス「Allied SecureWAN」

 「Allied SecureWAN」は、「どこでも使える、安心・安全・安価なWANサービス」をコンセプトに、セキュリティを確保するために必要な機能をクラウド上に統合したサービス。また、国内企業の提供としては初となる、帯域オートスケールに対応したSASEサービスで、利用帯域に応じたコスト最適化プランも提供する予定。これにより、トラフィック量に応じて契約帯域をオートスケール(伸縮)させることで、コスト削減を図ることができるという。

「Allied SecureWAN」の概要

 アライドテレシス 取締役 サポート&サービス事業本部 本部長の福川原朋広氏は、WANサービスを取り巻く市場環境について、「現在、サイバー攻撃被害の増加と、テレワークの急激な普及、クラウドシフトの進展という3つの要因が重なり、企業のIT環境は大きく変わりつつある。そして、これにともないセキュリティやネットワークの設計・運用管理は非常に煩雑化している。特にセキュリティ対策では、ゼロトラスト構想が重要視されているが、これを実現するためには多くの技術要素が必要となる。また、ネットワークでは、クラウドシフトによって閉域網を利用する意義が薄まり、IP-VPNからクラウドUTMへの乗り換えニーズが高まっている」と説明。

 「そこで今回、企業が抱えるWANサービスに関わるさまざまな課題を当社がワンストップで解決するべく、ネットワーク機能とセキュリティ機能をオールインワンで提供するSASEサービス『Allied SecureWAN』をリリースする」と述べた。

アライドテレシス 取締役 サポート&サービス事業本部 本部長の福川原朋広氏

 「Allied SecureWAN」には、通信を安全に行うための拠点間VPNやリモートアクセス、WAN回線を通信分散することで遅延を解消するSD-WANのほか、ファイアウォールやUTM、通信制御プロキシーなどセキュリティ対策機能などが含まれている。ネットワーク機能とセキュリティ機能を統合し、セキュリティをクラウド上で包括制御・管理することで、拠点およびモバイル端末からのセキュアなアクセスを実現する。

 具体的なサービス内容としては、ネットワーク機能では、インターネット接続(100M~6.5G)、帯域オートスケール、拠点アクセス回線(1Gベストエフォート)、拠点間接続、SD-WANルーター、モバイル接続(VPN接続)を提供。セキュリティ機能では、セキュアWebゲートウェイ(URLフィルター、Webセキュリティ、DLP、サンドボックス)と、次世代ファイアウォール(アンチウイルス、アンチスパム、IPS、APP制御)に加え、EDR、ID管理、ZTNAをオプション提供する。また、運用機能では、WAN監視サービス(ネットワーク監視、障害検知、障害復旧支援)のほかに、オプションとしてLAN監視、セキュリティ監視、脆弱性診断、脆弱性通知サービスを用意している。

「Allied SecureWAN」のサービス内容

 さらに「Allied SecureWAN」では、国産SASEサービスとして初の帯域オートスケールに対応。時間帯および通信量に応じて契約帯域をオートスケールすることで帯域最適化を実現する。なお、同機能の具体的な仕様は、2023年1月の正式リリースに合わせて準備中だという。トラフィック量が多い時に、契約帯域を1段階上に上げ、トラフィック量が少ない時に契約帯域を下げることで、費用を上げずにサービス提供できる仕組みを予定している。

帯域オートスケールの概要

 料金体系は、基本料金(初期費用、月額費用+オプション)と、拠点料金(初期費用、月額費用×拠点数)、モバイル料金(初期費用、月額費用×端末数(25単位))のシンプルでわかりやすいプランを用意。モバイル料金については、VPN接続での端末利用は無償で、エンドポイントセキュリティによる端末管理機能を使用時のみ有償となる。

「Allied SecureWAN」の料金体系

 福川氏は、WANサービス事業の今後の展望について、「2022年は、現行WANサービスで1500拠点(回線)を見込んでいるが、2023年には新SASEサービス『Allied SecureWAN』を本格展開し、3000拠点まで拡大する。そして、3か年目標の2025年には1万拠点達成を目指す」との計画を明らかにした。

 説明会の最後には、「Allied SecureWAN」を先行導入している顧客のユースケースを紹介した。アライドテレシス サポート&サービス事業本部 IT DevOps本部 本部長の中村徹氏は、「『Allied SecureWAN』は2023年1月に正式リリースとなるが、中核となるクラウドUTMやセキュアWebゲートウェイのサービスについては2020年から提供しており、2年以上の実績がある。すでに、さまざまな業種・用途で先行導入が進んでいる」とし、エンタープライズ向け、医療機関向け、文教機関向け、自治体向け、および安定運用向け、セキュリティ強化向けの6つの代表的なユースケースについて説明した。

アライドテレシス サポート&サービス事業本部 IT DevOps本部 本部長の中村徹氏