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日立システムズ、IoT技術を用いて残留塩素濃度を遠隔監視する水質監視サービスを提供

 株式会社日立システムズは18日、水道事業者向けの「CYDEEN水インフラ監視サービス」に、IoTを活用して残留塩素濃度を遠隔監視する水質監視サービスを追加すると発表した。

 近年、人口減少や土地利用形態の変更などに伴う水需要の低下により、一部地域では水の停滞による残留塩素濃度低下が発生しやすい状況にあるほか、今後はさらなる水需要の低下が見込まれ、水道法で定められている残留塩素濃度確保のため、現地での水質確認や排水などの作業による工数の増加が予測されるという。また、災害用貯水タンクなどにおいても、水が停滞することから定期的な水質確認、排水が必要になっているとのこと。

 今回発表された水質監視サービスは、こうした課題解決を支援するもので、残留塩素濃度の低下が懸念される箇所に水質監視装置を設置することにより、配水小管の残留塩素濃度をリアルタイムに遠隔監視できる。

水質監視サービスの概要図

 監視用の装置は、電源設備がない、新設および既設の消火栓やマンホール、埋設室内への設置が可能なため、機器設置に伴う新規用地確保や大掛かりな設置工事は不要。既設の場合は、断水なし、かつ土工事不要で取り付け可能であり、マンホール蓋の加工や交換も不要とした。

 さらにマルチキャリア対応セルラーLPWAの採用により、設置場所の電波状況に応じた最適な通信キャリアを選択でき、中継装置不要で、マンホール蓋を閉じた状態でも無線通信を行える。残留塩素センサーは、水道運用の現場で使用されている残留塩素濃度計と同等性能のものを採用した。

水質監視装置の設置例

 水質状況の監視については、クラウドサービスから24時間365日行え、スマートフォンやタブレットからのアクセスにも対応。異常を検知した場合に管理者へ通知する機能も備えている。加えて、残留塩素センサーの校正についても、現場からクラウドを通じて遠隔で操作できるという。

 なお、この水質監視サービスでは、機器調達から設置作業、クラウド提供などのほか、要望に合わせて問い合わせ対応やインシデント管理、稼働報告、保守対応などのサポートもワンストップで提供するとのこと。日立システムズでは、同サービスにおいて、2024年度までに累計15億円の売り上げを目指している。

ワンストップサポートの対応例