ニュース

理化学研究所、ITインフラの運用・管理にシュナイダーエレクトリックの「EcoStruxure IT Advisor」を採用

 シュナイダーエレクトリックは3日、国立研究開発法人理化学研究所が、「EcoStruxure IT Advisor」を導入し、メーカーの異なる各機器のレイアウトや設置状況、温湿度シミュレーションなどの一元管理を図り、より効率的な運用を実現したと発表した。

 スーパーコンピューターの運用を行う理化学研究所にとっては、各機器をいかに効率的に冷却するか、電力をいかに効率的に管理するかが非常に重要となるため、リアルタイムかつきめ細やかな機器の状況監視が不可欠となっている。その一方、公共機関である側面から、特定のベンダーに集中した発注を行っておらず、多岐にわたるベンダーの機器を採用しているため、サーバーの設置箇所や電力、ネットワークなどの管理・監視が非常に煩雑で、一元的に管理できる環境ではなかった。

 こうした課題を解決するため、ベンダーを問わずに効率的な電力・冷却の一元管理・監視を行うことができるソフトウェアである、EcoStruxure IT Advisorの採用に至ったという。

 EcoStruxure IT Advisorは、データセンター内の機器を登録し、実際のレイアウトを再現できるITインフラ管理ソリューションで、IT設備の電力の入出力といった稼働状況、計測している温湿度などの環境情報を一元的に監視・管理できる。

 理化学研究所では、EcoStruxure IT Advisorの導入により、これまで別々に見なければならなかった、さまざまなベンダーの多数の機器を一括で管理でき、管理の効率化を実現した。また、配置した機器をリアルな3Dモデルで可視化できることから、機器の配線も把握しやすくなり、見えにくいジャックの接続状態なども確認できるようになったほか、効率的な冷却に必要な情報を簡易な計算で示すこともできるようになった。新たな機器導入などのため、にベンダーと設備の電源回路の情報を共有する際も、EcoStruxure IT Advisorがスムーズな情報共有を支援する。

 さらに、昨今のコロナ禍における感染防止の観点から、サーバー室への立ち入りが制限された際にも、EcoStruxure IT Advisor を活用することにより、入室せずにサーバーの設置状況などの確認が可能になった。リアルな3Dモデルのデータを画面で見ながら、サーバーの新規導入、あるいは撤去などに対して指示を出せることで、作業時間を大幅に削減できたという。

 シュナイダーエレクトリックでは今後も、多様化するシステム環境や要望にに合わせた製品やソリューションの提供を通じ、データセンターおよびサーバールームの効率的な運用に貢献していくとしている。