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国内ITインフラサービス市場予測、2021年の市場規模は前年比2.7%増の1兆7575億円~IDC Japan調査
2022年6月14日 08:00
IDC Japan株式会社は13日、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表した。2021年の同市場は前年比2.7%増の1兆7575億円となり、2021年~2026年の年間平均成長率3.2%、2026年の同市場規模は2兆524億円に達すると予測している。
市場のアクティビティ別分類では、「設計/構築」セグメントは、2021年の市場規模は3569億円、前年比成長率は3.7%となった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大による悪影響は解消に向かう一方、リモートワーク対応やデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み加速などが市場に好影響を与えたと分析。2022年以降もこれらの需要は継続し、全体として堅調な成長を維持するとみられ、2021年~2026年の年間平均成長率は2.5%になると予測している。
「運用/保守」セグメントでは、2021年の市場規模は1兆4007億円、前年比成長率は2.5%となった。COVID-19感染拡大による悪影響は解消に向かい、クラウドやVDI、DaaSなどへの需要も継続し、複雑化するITインフラ環境の包括的なアウトソーシングへの需要も高い状態が続いたと分析。2022年以降は、DX推進に伴うITインフラ関連のさまざまなニーズが拡大し、予測期間を通じて成長率は上昇傾向となり、2021年~2026年の年間平均成長率は3.3%になると予測している。
産業分野別では、運輸サービスや旅行業、宿泊業、店舗型の小売業を中心とした流通業、サプライチェーンの乱れが発生した製造業などで、COVID-19感染拡大の悪影響からの回復が遅れていると指摘。それ以外の産業分野では、投資が縮小した2020年の反動増や、DXへの取り組み加速などが寄与し、2021年は堅調な成長を示したとしている。2022年以降は、COVID-19感染拡大などの動向に左右される可能性は残るものの、おおむねIT投資は正常化に向かい、予測期間にわたっていずれの産業分野もプラス成長で推移すると分析している。
国内ITインフラストラクチャサービス市場では、今後もDX推進に伴う需要が継続するとみられる一方、中堅中小企業(SMB)を中心に、COVID-19感染拡大やロシア・ウクライナ戦争による悪影響が長期化する可能性があり、運用保守人材の不足傾向も強まっていると指摘。IDC Japan ITサービスのシニアマーケットアナリストである吉井誠一郎氏は、「ITインフラストラクチャサービスを提供する国内サービスベンダーは、アプリケーション領域と一体化したアプローチを強化するとともに、SMB向けのリモートワーク導入も推進すべきである。さらに、マネージドサービスの自動化や部品化を推進すべきである」と述べている。