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デル・テクノロジーズ、通信事業者向けのオープンネットワークソリューションを発表

 米Dell Technologies(以下、デル・テクノロジーズ)は米国時間2月22日、新しい通信事業者向けのソリューションおよびサービスを発表した。これらのソリューションおよびサービスは、オープンな通信エコシステムを強化するとともに、通信サービスプロバイダー(CSP)のオープンなクラウドネイティブネットワークへの移行を、手頃な価格で実現できるようサポートするとしている。

 新たなソリューションとなる「Dell Telecom Multi-Cloud Foundation」は、エンドツーエンドの最新鋭なネットワークインフラストラクチャーを提供する、ターンキーソリューションとなる。CSPが、複雑さを軽減しながらより低コストで、より迅速にオープンなクラウドネイティブネットワークを構築して展開できるよう支援する。

 Telecom Multi-Cloud Foundationには、デル・テクノロジーズのハードウェア、管理ソフトウェアの「Dell Bare Metal Orchestrator」や、CSPの選択肢であるRed HatやVMware、Wind Riverなどの統合テレコムクラウドソフトウェアプラットフォームが含まれる。

 さらに、新たに追加した「Dell Bare Metal Orchestrator Module」により、CSPにクラウド基盤スタック全体の導入とライフサイクル管理の機能を提供する。導入後は、CSPは、オープンなハードウェアおよびソフトウェア環境向けに、コア、エッジ、RANにまたがる拡張性の高いクラウド基盤や、オープンなネットワーク機能や差別化されたエッジサービスを設計、展開する柔軟性を手に入れられるとしている。

 ACG Researchの試算では、自社ネットワークにTelecom Multi-Cloud Foundationを展開したCSPにおける運用コストの削減効果は、最大39%に上ると説明。さらに、同社の調査では、テストと認証、手動プロセス、サーバーのプロビジョニング、ソフトウェアのアップグレード、クラウドスタックの統合とテストに要する時間も短縮されるとしている。

 また、デル・テクノロジーズでは、Marvellとのコラボレーションにより、vRANおよびOpen RANソリューション向けの新しいin-line 5G Layer 1プロセッシングカード「Dell Open RAN Accelerator Card」を開発した。

 このPCIeアクセラレーターカードは、「Dell PowerEdge」および他のx86ベースのサーバー向けにデザインされており、5G無線ネットワークと同じMarvellのベースバンドシリコンテクノロジーとパフォーマンスを、Open RANエコシステムに提供する。CSPは、コストと消費電力を削減するシステムを確立し、オープンアーキテクチャーアプローチによって、高パフォーマンスな最新鋭な無線アクセスネットワークを低コストで拡張していくことが可能になるとしている。

 エッジおよびコア向けの通信事業者向けソリューションとしては、「Dell Validated Design for Services Edge 1.2」と、「Dell Validated Design for the 5G Core with Oracle and VMware」を発表した。

 Dell Validated Design for Services Edge 1.2は、エッジコンピュートリソースとプライベートの無線接続を統合することで、膨大な数のエッジロケーション環境に求められる容易な展開、拡張性に優れた運用、セキュリティー機能を提供する。エンタープライズ企業は、モバイルネットワークのエッジにさまざまなセンサーとデバイスを配置して、ほぼリアルタイムにデータを取り込んで処理するとともに、これらのデータからインサイトを引き出し、オペレーションを最適化し、生産性を高められるとしている。

 Dell Validated Design for the 5G Core with Oracle and VMwareは、業界標準のインフラストラクチャー上に、堅牢で拡張性の高い5Gコアを、より安全で信頼性の高い方法で構築するための選択肢をCSPに提供する。このソリューションにより、これまで複数パートナーによって実行されていたネットワークコンポーネントのデザイン、テスト、統合に要する時間を短縮できるとしている。

 通信サービスの強化では、ネットワークインフラストラクチャーの迅速な運用を可能にする「Dell ProDeploy for NFVI」を提供。CSP各社の顧客企業のネットワークに固有の、最適なNFVインフラストラクチャーを柔軟に構築できるようにする。また、ラボ機能の拡張として、「Dell Open Telecom Ecosystem Lab Solution Integration Platform」により、CSPやパートナーが、自社のラボリソースをデル・テクノロジーズのラボやインフラに安全に接続し、5Gや通信エッジサービスの開発および市場投入をより迅速に行えるようにする。