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パナソニック、最適なワークモデル作成と人員配置を可能にする流通業向けSaaS「CYTIS Shift for Retail」

 パナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社(以下、パナソニック CNS社)およびパナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社は24日、AI技術とインダストリアルエンジニアリング(IE)の知見を生かして、最適なワークモデルの作成と人員配置を行うクラウドサービス「CYTIS(サイティス) Shift for Retail」を提供開始したと発表した。

 CYTIS Shift for Retailは、AIによって利用企業の現場に最適なシフト計画を自動で作成する流通業向けクラウドサービス。これまで人の勘などに頼っていた現場を可視化し、ワークモデルを定義して、そこに最適な人を割り当てられるため、業務と人員両面での最適化を提供するという。

 具体的には、まず、「来店客実績」「特別営業日」などの過去の実績データなどをもとに、営業日ごとの来店客数と業務量をAIが予測して必要人時を計算し、その結果を画面上に表示する。これまでは、シフト作成者がその日の業務量とその業務を行う時間・人数を考えることに膨大な時間がかかっていましたが、人の考えに依存せず、より業務に適した必要人時の予測が可能になるとした。

 続いて、こうして算出された必要人時と、従業員のスキル、希望シフトと照らし合わせることで、最適なシフトを作成する仕組みで、従業員情報としては、スタッフ個人ごとに各業務タスクのスキルを設定可能。また、希望シフトはスマートフォンから入力でき、入力された従業員の細かな情報から、AIが複数条件の中で最適解を導き出してくれるとのこと。

 管理者はダッシュボードを使って、理想とする計画に対して、従業員がその時間に足りているのか、スキルは満たしているのかなど、業務量と人員のバランスを容易に確認できるほか、勤務実績と売上情報を掛け合わせて、投入人時の適正を確認することも可能。こうした機能によって、より正確な課題をとらえられるので、採用や教育計画などのアクションにつなげ、理想的な計画に向けた改善が行えるとしている。

 パナソニック CNS社では、これまで人による経験と勘で行ってきた、店舗のバックオフィスにおける人の配置や投入計画に、CYTIS Shift for Retailを通じてデータドリブンな標準シフトモデルを当てはめることで、シフト計画作成にかかっていた時間の7割削減が可能になるとともに、計画から改善のサイクルを継続的に回すことにより、店舗運営のさらなる効率化が図れるとアピールしている。

 なおイオンリテール株式会社では、総合スーパー(GMS)62店舗のバックオフィス改革のため、CYTIS Shift for Retailの仕様をカスタマイズした「AIワーク」を導入した。これにより、流通業界における典型的な課題を解決に導くのに十分なデータを取得し、それらを経営視点の情報に変換できるようになるとのことだ。