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日本GLPがデータセンター市場に参入、電力キャパシティ900MWの供給能力を目指す

 物流施設の開発・運営を手がける日本GLP株式会社は18日、日本最大のデータセンターサービスプロバイダーを目指して、データセンター事業に本格参入すると発表した。

 日本GLPでは、データセンター事業を物流不動産事業に並ぶ事業の新たな柱とするべく、用地および必要電力の追加確保を含め、今後1兆円以上の投資を予定。2027~2028年ごろには、電力キャパシティ900MW(メガワット)の供給能力を目指す計画としている。

 データセンター市場への参入について、日本GLPでは、クラウドサービスやIoT、AIといった需要の拡大により、日本国内でもデータセンター市場の成長が予測されているが、日本ではデータセンターの適地および必要電力のタイムリーな確保が難しく、データセンターを必要とする企業にとって、事業拡大スピードに合わせたデータセンターの整備が課題になっていると説明。

 日本GLPではこうした環境を踏まえ、東京都内の最大300MW級データセンターキャンパスを含めて、すでに首都圏および近畿圏に合計約600MWの供給電力を確保した複数のデータセンター拠点適地を取得しており、2023年より順次着工、2024年より順次完成する計画だという。

 また、この計画に先立ち、データセンター事業経験者で構成された専門チームを立ち上げ、自然災害リスクが低く、かつ都市中心部から約35km圏内にキャンパス型データセンター用地を含む複数の土地を取得してきたと説明。データセンターを利用する企業の戦略的なインフラ集積と分散を実現するだけでなく、専門的なノウハウを要する設計、開発、運用に関するニーズに最適な対応ができる基盤を整えるとともに、体制を確立したとしている。

 日本GLPでは、拡張性のある都市圏キャンパス型データセンターをデータセンター事業戦略の中核と位置付けており、データセンターを利用する企業はその都度、土地と電力を探す必要がなくなると説明。また、キャンパス内でデータセンターのライフサイクルマネジメントを行うことで、将来のデータセンターの老朽化課題も併せて解決するとしている。

 なお、親会社のGLPは、すでにグローバルでデータセンター事業を展開しており、中国においてはすでに国内最大級のデータセンターサービスプロバイダーとしての実績があるほか、今後は欧州・北米・南米においてもデータセンター事業を拡大していくとしている。

 日本GLP代表取締役社長の帖佐義之氏は、「日本GLPはこれまで、人々の生活や経済活動を支える重要なインフラとしての、最先端かつ環境にも配慮した物流施設を提供してきました。このたび新たに取り組むデータセンター事業は日本GLPが長年培ってきた物流施設の開発・運営事業における創意と実績を活かし、大きなシナジー効果が期待される成長分野です。複数エリアで複数拠点のデータセンタープロジェクトを一気に推進し、急増するデータセンターへの需要に対応していきます。豊富な経験を待つ専門チームを中心にデータセンター事業を着実に拡大し、デジタライゼーション社会の重要なインフラの整備に貢献してまいります」と語っている。