ニュース
在宅勤務用のブロードバンドとして5G回線の利用拡大の可能性を指摘――、IDC Japan
“Branch of One”の取り組みに関する調査結果を発表
2022年2月4日 09:30
IDC Japan株式会社は3日、国内企業900社を対象に実施した「2022年 企業ネットワークサービス利用動向調査」における、“Branch of One”に関する調査結果を発表した。Branch of Oneは、オフィスのIT環境を自宅へ拡張する取り組みのことで、この調査では、在宅勤務における利用回線種別ごとの満足度や、セキュリティ技術の導入状況、在宅勤務用のブロードバンド回線の会社負担の実態などをまとめている。
Branch of Oneでは、オフィスと遜色ないネットワークやセキュリティ、そして企業の費用負担などが求められるが、今回の調査では、Branch of Oneの重要な要素である在宅勤務用のブロードバンド回線として、5G回線の満足度が高いことが明らかになったという。
5G回線を無線／有線のLANと組み合わせて利用している回答者のうち、約7割が「満足」または「概ね満足」と回答しており、この比率は、モバイル回線として従来主流だった4Gはもちろん、固定ブロードバンド回線よりも高くなっている。
IDC Japanでは、5G回線が、通信品質が安定しやすい固定ブロードバンド回線と比べても高い満足度となっていることから、5G回線に関して、在宅勤務での利用拡大の可能性が明らかになったと指摘している。
また、従業員の一部でも週1回以上の在宅勤務を実施している企業の割合は、従業員数が1000人以上の大企業では93.7％、業種別では「情報サービス／通信／メディア」が93.3％、「金融」が82.4％、「流通」が81.8％となり、その他のセグメントより高くなっているとのこと。
こうした状況は、EDR（Endpoint Detection and Response）、CASB（Cloud Access Security Broker）、クラウドWebプロキシなどのセキュリティサービスの導入においても同様で、在宅勤務の実施率や、そのためのセキュリティサービスの導入率においては、従業員規模別では大企業において、また産業分野では「情報サービス／通信／メディア」「流通」「金融」で進んでいることが分かったとした。
このほか、一部の業種においては、在宅勤務用の通信回線費用を会社が負担する動きも広がっているそうで、「ブロードバンド回線費用を全額負担する」と回答した割合は、在宅勤務を実施している企業全体の37.8％に対し、金融業では約5割に達している。
