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日本マイクロソフトがWindows 11に関する取り組みを説明、メディア向け説明会は今回が初

 日本マイクロソフト株式会社は18日、Windows 11に関する取り組みについて説明を行った。Windows 11は10月5日から提供を開始しているが、日本マイクロソフトがWindows 11に関して、メディア向けに説明会を行うのは今回が初めてとなった。

 日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマー事業本部長の竹内洋平氏は、「Windowsは約35年に渡り、社会の生産性を支えてきた。そして、時代の流れにあわせて新たな機能を追加し、より多くのことを達成できるプラットフォームでありつづけたいと考えてきた。過去18カ月間でパソコンとの関わり方が変化し、リモート環境下で仕事をしたり、授業を受けたり、家族とビデオ通話をしたりといったことが行われた、私の娘は、パソコンの前で中学校の入学式を行った。誰もが想像できなかった状況において、マイクロソフトは、ミッションである『地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする』ために、時代に合った新たなOSをデザインし、提供を開始した」と、Windows 11を位置づけた。

日本マイクロソフト 執行役員 コンシューマー事業本部長の竹内洋平氏

 また国内では、100モデル以上のWindows 11搭載パソコンがすでに発売されており、今後、さらに新製品が追加されることを示したほか、Microsoft Officeを刷新して、Office 2021として提供を開始したこと、Xbox Cloud Gamingも日本で提供を開始し、個人ユーザー向けの製品、サービスが出そろったことを強調。「量販店店頭やオンライン接客を通じて、最新のWindowsを体験してほしい」と述べた。

 さらに、Windows 11の発売にあわせてテレビCMを開始したほか、国内主要都市において屋外広告を展開。オンライン広告を含めた大規模なマーケティング活動を進めてきたことを示した。11月22日からは再びテレビCMや大規模な広告展開をスタートするという。

 「6月の発表から10月の発売までに、国内ではWindows 11に関して2000本以上の記事が掲載され、さらに日々、さまざまな情報が発信されている。コミュニケーションの中心は、かつてのような大規模なイベント開催によるものではなく、オンラインに移行しており、それによって、全国にリーチできるようになっている。また、店舗を持つ販売店でもオンラインによる接客に力が入っている。こうした活動を通じて、店舗に来られない人にもWindowsの魅力を伝えたい」と述べた。

 量販店店頭においては、Windows 11搭載パソコンを店頭でも体験できる場づくりに注力。主要量販店に設置された「Windowsエリア」では、PCメーカー各社が発表したWindows 11搭載パソコンに展示内容を一新。同一エリア内で最新デバイスを比較しながら、自分に最適なパソコンを選択できるという。「Windowsエリアでは、トレーニングに合格したWindows 11認定販売員が常駐し、丁寧に対応する体制を敷いている。店頭でも、安心して、相談してほしい」と述べた。

購入体験の向上

 このほか日本マイクロソフトでは、ビックカメラとの連携により、オンライン接客を実施してきたが、対応店舗を拡大する考えも示した。オンライン接客は、日本マイクロソフト社内にあるスタジオから、専任担当者がリアルタイムで接客する仕組みで、「利用者からは、5点満点中4.9点という高い評価を得ている」という。

 オンライン接客では、これまではSurfaceシリーズだけを対象にしていたが、今後はOEMメーカー各社のデバイスにも広げていくことになる。

オンライン接客

コロナ禍においてパソコンの活用が広がった

 一方、竹内執行役員は、コロナ禍においてパソコンの活用が広がっていることを、同社の調査データなどから指摘した。

 個人ユーザーのパソコンと向き合う時間は29%増加、ビデオ通話の利用時間は89%増となり、パソコンをアクティブ利用しているユーザーは18%増加。これまでスマホで行っていた作業を、大画面でパワーがあるパソコンに移行しているユーザーも67%に達しており、「パソコンは生活において重要な存在となり、欠かせない存在になりつつある。行動が制限され、ライフスタイルが変化するなかでも、やりたいことが制限なくできるようになるのがWindows 11であり、その思いを『あなたの大切を、もっと』というメッセージに込めた」などと述べた。

 またWindows 11では、シンプルなデザインに生まれ変わったこと、落ち着いて作業ができるUIを新たにデザインしたこと、ゲームをプレイする環境を最適化したこと、複数のアプリを操作する場合にも最適な配置を行ってくれるレイアウト機能などを紹介。

 「インターネットの情報を参照しながらプレゼン資料を作成するといった場合にも、マルチタクスが行いやすいレイアウトに自動的に変更。気になる情報を確認したい場合にもウィジェットを使うことで便利になり、その日の予定や天気など、個人に最適化した情報を集約できる。仮想デスクトップ機能では、仕事のデスクトップからプライベートのデスクトップへの切り替えによって、昼食時間に音楽を聴くといった使い方もできる」としたほか、「Windows 11にTeamsが統合されたことで、昼休みに家族と気軽にチャットすることもできるようになった」とした。

 その上で、「Windows 11は、日々利用しているPCを、より簡単に、よりわかりやすく、より楽しく使ってもらえるように進化している」と述べた。

OEM各社がキャンペーンを実施

 会見では、OEMメーカー5社から、各社の代表的なWindows 11搭載PCを取り上げながら、その特徴を説明した。ここでは、ニューノーマル時代において一般化したリモートワークに最適化した機能や、ビジネスシーンに便利な機能を搭載していることも紹介された。また、各社の年末商戦向けキャンペーンについても触れた。

OEM各社のPC

 Dynabookでは、Dynabook Cシリーズを紹介し、同社独自のエンパワーテクノロジーを搭載し、高速処理を実現しているほか、15型ディスプレイを搭載しながら、薄型、軽量化を実現。Windows 11で進化したコミュニケーション機能を便利に利用できる点を強調した。また、チャイム音や工事音といったリモートワーク中に発生しがちな周りの音だけをキャンセルして対話ができるAIノイズキャンセラーをデモンストレーションしてみせた。

 Dynabook 国内マーケティング&ソリューション本部の荻野孝広副本部長は、「Windows11を快適に楽しめる幅広いラインアップを用意した。Windows 11によるネットライフを快適、便利に思ってもらえるだけでなく、少し違うなと思ってもらえる製品を用意している。『どれも同じではない。Windows 11を使うならDynabook』をキャッチフレーズに展開していく」と述べた。

 年末商戦向けには、期間中にDynabookを購入すると、抽選で1010人に最大10万円分のQUOカードが当たる「Windows 11を使うならdynabookキャンペーン」を実施する。

 デル・テクノロジーズでは、INSPIRON 13を紹介。16:10のアスペクト比に加えて、4辺スリムベゼルを採用。薄くて軽量でありながら、堅牢性の高いアルミ製ボディにより、持ち運びに便利なこと、プライバシー保護のために物理的シャッターを持ったカメラを搭載していること、Dell Mobile Connectにより、スマホにかかってきた電話もクリックひとつで受信できるといった機能を紹介。デル・テクノロジーズ コンシューマー&ビジネスマーケティング統括本部の田尻祥一本部長「ひとことでいえば、新しい生活スタイルにど真ん中のパソコンである」と述べた。

 デル・テクノロジーズは、即納モデルをお買い得な価格で購入できるキャンペーンや、量販店、ECサイト、直販サイトといった、どんなところでデルのパソコンを購入しても、抽選対象となり、プレゼントが当たるキャンペーンを予定。詳細を12月9日に公開することを明らかにした。

 日本HPは、HP ENVY x360 13-bdを紹介。仕事や学習などでも好きなポジションで利用でき、タッチでも、ペンでも操作できるのが特徴であるとした。ディスプレイにはGorilla Glassを採用。ボタンひとつで利用できるのぞき見防止機能、マスク生活が増えていることにも対応した指紋認証によるアクセスなど、ニーズの変化にあわせた新たな安全、安心を実現しているという。

 日本HP パーソナルシステムズ事業本部コンシューマービジネス本部の沼田綾子本部長は、「万人に好まれる上品なカラーを採用したスタイリッシュな13型パソコン。いまの生活に寄り添って、安心して使えるパソコンを目指した」と述べた。

 購入者を対象に、PhotshopやIllustratorなどを含んだAdobe creative cloudを1カ月無料で利用できるキャンペーンを実施するという。

 富士通クライアントコンピューティングは、FMV LIFEBOOK UH90/F3を紹介した。筐体にカーボンを採用することで1kgをはるかに下回る圧倒的な軽量化を実現。それでいて、駆動時間は22時間を達成したほか、有線LANやSDカードスロット、USB端子などの豊富なコネクタを搭載しているのが特徴だ。8種類の周囲の音を独自のAIエンジンが分析して、どんな場所でもリモートワークが可能になるAIノイズキャンセリング機能などを搭載している。

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL) 執行役員 コンシューマ事業本部の高嶋敏久福本部長は、「Windows 11搭載パソコンでも世界最軽量を追求し、使いやすさをあきらめない、人にやさしいモノづくりを実現した。FCCLの匠の技を集結したMADE IN JAPANのパソコンである。より快適なパソコンライフを実現する」と述べた。
年末商戦向けには、トリプルアシストキャンペーンを実施。パソコン乗り換えなんでも相談窓口の開設や、パソコンあんしん乗り換えキットの配布、FMVユーザー向けに3カ月無料のクラウドバックアップサービスを提供する。

 NECレノボ・ジャパングループでは、NECのLAVIE N14シリーズを紹介。14型FHD液晶採用のスリムコンパクトボディにより、ホームモバイルパソコンを目指した製品だと位置づけた。リモートワークやオンライン授業で利用する際に、ミーティング機能によって、外付けのマイクやスピーカーなしに最適な環境を実現できるほか、リフトアップヒンジにより打ちやすいキーボードとしたのも特徴だ。NECレノボ・ジャパングループ コンシューマ事業プレジデントの河島良輔氏は、「オフィスのなかで生産性とモビリティを両立するには、14型が最適であるという認識が広がっているが、リモートワークの増加によって、家庭のなかでもインハウスモビリティが増えてくるだろう。そうしたニーズに向けて投入した製品である。いまの時代にちょうどいい14型ノートパソコンである」とした。

 若年層向けのLAVIEシリーズの認知度向上に向けて、各種広告を展開する計画も明らかにした。

 また、レノボ・ジャパンでは、IdeaPad Duet 350iを紹介。10.3型デタッチャブルパソコンの特長を生かしながら、学生などに最適なモデルに位置づけている。デジタルペンや取り外して利用できるキーボードも特徴にあげている。「価格が手軽で、必要なものがそろっており、小型軽量化を実現。最初に購入するパソコンに最適である」とした。

 年末商戦向けには、YOGAシリーズの訴求を強化。同製品が持つ違いや個性を訴える広告展開を進めるという。

OEM各社の担当者が登壇している

 一方、日本マイクロソフトでは、2021年10月に、Surface Goを発売。11月にWindows 11を搭載したSurface Pro 8を発売したこと、今後、Surface Laptop StudioやSurface Duo を発売する予定であることを紹介。また、「Windows 11については、世界同一でのマーケティング活動を行っているが、日本は唯一、学生向けの異なるクリエイティブが許されている。日本では、未来を担う学生に、最新のWindowsで、明るく、楽しく、自分らしい世界を作ってほしいというコンセプトで大規模な広告展開を行っている。学生が最新のWindowsデバイスを手に入れて、より多くのことを達成することを期待している」(日本マイクロソフトの竹内執行役員)とした。

 日本マイクロソフトでは、ベネッセとの協業で、進研ゼミこども大学を開催し、Windowsパソコンを使ってもらう提案を行ったり、なるり先生の『なるりMusic Video 作らナイト』を開催し、ミュージックビデオの作成などに取り組んだりする予定だ。「学生のDXを、パートナーとともに促進したい」と語った。