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デロイトトーマツ、工場スマート化を支援する「The Smart Factory @ Kyoto」を京都先端科学大学と共同で開設

 デロイトトーマツグループは22日、ものづくり企業の戦略的なデジタルエクスペリエンス(DX)推進を支援するため、デロイトが掲げる工場スマート化のコンセプト「The Smart Factory」を具現化するためのイノベーションスペースを、日本において展開すると発表した。

 第1弾として、京都市内にアジア・パシフィック地域においても初の拠点となる「The Smart Factory @ Kyoto」を、京都先端科学大学と共同で9月22日に開設した。

The Smart Factory @ Kyoto

 デロイトトーマツが展開するイノベーションスペースは、来場者がものづくりのスマート化に活用できるデジタルソリューションを見て、触れて、体験し、得たリアルなイメージをもとに、目指すものづくりの姿や、実現の手段を深く思考する場と位置付けられている。工場スマート化の第一歩が踏み出せない企業から、スマート化に着手しているが取り組みを加速したい企業まで、幅広く実機の体験とディスカッションの場を提供する。

 今回開設した「The Smart Factory @ Kyoto」は、「Factory Connectivity~現場と経営をつなぐ~」をテーマに、分断されている現場のシステム、機器、装置を繋げることにより、今まで人が行っていた業務を機械化し、人がより付加価値の高い業務に専念できるようになることを目指せる場となっている。

 具体的には、Factory Connectivityの実現に活用可能なさまざまなソリューションを体験することができるショーケースエリアと、ショーケースエリアで得た体験をもとに、未来の工場の姿や、実現に必要なデジタル変革を形にするワークショップなどを行う、イノベーションエリアを設けている。

 ショーケースエリアでは、Factory Connectivityをテーマに、データのデジタル化、意思決定に必要な可視化、データ分析による現場改善の実現に効果的な8つのソリューションを展示。具体的には、製造現場で使われる主要基幹システムと現場機器、装置の連携により大量生産の生産性を保ち、マスカスタマイゼーションを実現するManufacturing4.0ライン、ウェアラブルデバイスや帳票ソフトウェア活用した製造現場のペーパーレス化・効率化、各種センサーとクラウドをつなげた設備稼働や工場環境管理などのデモンストレーションを体験できる。

 イノベーションエリアでは、工場スマート化に向けた第一歩を支援するため、スマートファクトリーのさまざまな専門家とともに行う構想策定やユースケース策定など、各企業のDX構想のアプローチに合ったサービスを提供する。ショーケースエリアで体験し、具体的なイメージを描いた上で、戦略・プログラムマネジメント、テクノロジー・システム、組織・人事、オペレーションなど、組織全体の改革を進めるためのPoC、ロールプレイなども含めたワークショップなどのサービスを提供する予定。

 The Smart Factory @ Kyotoは、京都先端科学大学との包括連携協定に基づき、共同で運営を行い、モノづくり企業を始めとしたさまざまな企業、団体や、さまざまな教育機関の学生が次世代のソリューションを体感・実践できる場として、産学連携によるものづくりDXの推進を図る拠点としても位置付けている。

 デロイトトーマツグループでは、非連続な技術革新による価値創造をテーマとした「The Smart Factory @ Tokyo」を、東京都内に設立することも検討していると説明。The Smart Factoryの活動を通じて、日本のものづくりDX改革の推進に貢献していくとともに、各地域での新たな産業を創出し、DX人材の活躍の場をより広く提供していくとしている。