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受発注と連動してAIオープンでバウムクーヘンを焼き上げ――、DNPとユーハイムがフードロス削減を目指した実証実験を開始

バウムクーヘン専用AIオーブン「THEO」

 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は6日、フードロス削減に有効な商品販売システムの実証実験を、株式会社ユーハイムと共同で実施すると発表した。DNPが提供するシステムにて、来店前の購入者から商品(バウムクーヘン)の購入予約を受け、それをもとにユーハイムのバウムクーヘン専用AIオーブン「THEO(テオ)」で生産する。場所はミシャラク表参道店で、期間は9月8日~27日。

 この実証実験では、「必要なものを、必要な時、必要な量だけ作り、より美味しい状態で商品を生活者に届ける」をコンセプトとしており、生活者からの事前の注文に応じて商品を生産することで、“出来立て”の食品を提供できるようにしている。

 具体的には、購入客が専用Webサイトで登録商品を閲覧し、購入したい商品や受取時間を予約画面で指定すると、予約した受取時間に合わせて、THEOが自動で商品を焼き上げる仕組みで、購入客は転倒で待つことなく、出来立ての商品をスムーズに受け取れるという。

 フードロス削減のための取り組みとしては、従来、需要を想定して生産数を調整するといった取り組みが行われているが、この場合、客が購入したいと思っても買えないといった販売機会の逸失が発生する場合があったとのこと。これに対して今回の取り組みでは、店舗側が販売機会を失うことなく生産数を調整できるほか、出来立ての商品を提供することでサービスの向上も図れるとした。

 なお新しい販売方法の周知については、店内のポスターや販促物等に掲出するQRコードに加えて、メール案内等によって専用Webサイトに誘導するとのことだ。

 DNPでは今回の実証実験を通じて、需要を把握・管理できる仕組みに対するニーズや機能の検証を行い、需給の最適化によってフードロス削減を実現するシステムの開発と事業化を進めるとしている。

販売するバウムクーヘン