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ベリサーブ、AIプロダクトのリスク評価とテスト戦略策定サービスを提供

 株式会社ベリサーブは24日、AIを組み込んだ製品(AIプロダクト)を開発する企業を対象に、AIプロダクトに対するプロダクトリスクアセスメントと、それに基づいてテスト戦略を策定するサービスを提供開始した。サービスの価格は要問い合わせ。

 ベリサーブでは、AI技術は進化途上であるとともに、ハードウェアや従来型のソフトウェア、サービスのなどに比べて品質管理が難しいと説明。こうした課題に対応するために、QA4AIガイドラインやAIQM(機械学習品質マネジメントガイドライン)といったドキュメントが日本国内でも提供されているが、これらのドキュメントは「開発現場への適用方法が分からない」または「技術的に発展途上である」といった理由で、開発現場で活用されにくい実情があるという。

 こうした課題への対応として、ベリサーブではAIプロダクトの品質保証という観点で、開発プロセスをすべてカバーするサービスの提供を目指しており、今回、当該サービスにおけるモジュールの一つとして、「AIプロダクトリスクアセスメント&テスト戦略策定サービス」を提供する。

 AIプロダクトリスクアセスメントでは、AIプロダクトの開発プロセスのうち、主に初期段階のリスク分析(リスクアセスメント)に着目。品質の観点で、当該AIプロダクトが対処すべきプロダクトリスクを識別、評価した上で対応策を検討し、顧客に提案する。

 リスクの識別においては、ベリサーブが安全性解析におけるサービスで培ってきたプロダクトの信頼性解析手法「FTA/FMEA」などを基本として、AIに特化したデータ品質(ISO/IEC 25012)などの観点から識別を行う。

 リスクの評価では、AIQMで定義されたAISL(AI安全性レベル)/AIFL(AI公平性レベル)/AIPL(AIパフォーマンスレベル)を用いる。対応策の内容には、開発側での対応、テスト側での対応、リスクの受容などが含まれ、今後のプロダクト開発活動への入力要素となる。

 テスト戦略策定では、プロダクトリスクアセスメントにおける対処がテスト側での対応となった場合、その対応策を具体的に検討し、テスト戦略に落とし込む。AIQMにリスク対応策が記載されている場合は、それを具体的に落とし込むが、AIQMにリスク対応策が記載されていない場合は、ベリサーブの通常のプロダクトに対するテスト戦略のベストプラクティスや、AIの特色を織り込んだ上でテスト戦略とする。

 ベリサーブでは、企業はサービスを適用することで、リスクアセスメントの結果を用いて開発やテストの活動を実施できるようになり、AIプロダクトの品質向上が期待できると説明。また、AIプロダクトにおいては説明可能性(Explainability)が重要な品質特性の一つと言われており、サービスではAIそのものの説明可能性を向上するわけではないが、リスクアセスメントに基づく開発、テスト活動を実施することで、AIプロダクト全体の品質について説明可能性の向上が期待できるとしている。