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NSSOLとフェアリーデバイセズ、作業現場の生産性・安全性向上推進に向け協業

作業現場向け支援ソリューションとウェアラブルデバイスを連携

 日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)とフェアリーデバイセズ株式会社は16日、製造業をはじめとした作業現場を持つ企業に対する生産性・安全性の向上を目的としたIT支援において、協業を開始したと発表した。

 NSSOLとフェアリーデバイセズでは、2020年から現場支援に必要なアプリケーションやウェアラブルデバイスの提供に向けて、共同で検討を実施。その中で、NSSOLがモノの他に現場で働くヒトに着目した「IoXソリューション」として提供している、現場の安全モニタリングソリューション「安全見守りくん」および遠隔作業支援ソリューション「ARPATIO」と、フェアリーデバイセズが提供するウェアラブルデバイス「THINKLET」の適用性検証を行ってきた。

 その結果、NSSOLでは生産性・安全性のための適合デバイスとして、THINKLETをラインアップに加え、顧客への提供を開始する。

ウェアラブルデバイス「THINKLET」

 NSSOLが提供する安全見守りくんは、これまで日本製鉄をはじめとした、大規模なプラントを有する鉄鋼、金属、化学、重工業、電力、製紙を中心に、30サイト・数万人以上の顧客が利用し、現場の作業支援を実現してきた。安全見守りくんは、作業者の動態検知、位置情報管理等の基本機能に加え、携帯ガスセンサー連携、Wi-Fiカメラ連携など、現場ニーズをもとにしたエンハンスを継続的に実施している。

 また、ARPATIOは、スマートフォンなどを使い、作業現場の作業員・管理者間のコミュニケーションを強化するためのソリューションで、映像、音声の活用により、遠隔からの作業指示や、現場の映像・資料共有を行うことができ、コロナ禍においても三密回避のために有効なソリューションとなる。

 フェアリーデバイセズは、「Connected Worker Solution」として、現場作業に対するAI、音声認識による効率化、高度化に加え、それらを支えるDX基盤となるウェアラブルデバイスTHINKLETの開発を行ってきた。

 THINKLETは、4G LTE/Wi-Fi、AIチップ、広角カメラ/高性能マイク、各種センサーを搭載し、装着者が見ているものや、聴いていることをリアルタイムにデータ化し、情報活用を可能とする。また、頭ではなく頸部(けいぶ)に装着することで、現場作業時の作業者への負担を軽減すると同時に、内蔵カメラでの安定的な一人称視点での撮影を可能とし、複数の高性能マイク制御とエッジ音響処理により、騒音下でのクリアな音声抽出が可能という特徴を持っている。

 今回の協業により、NSSOLは安全見守りくんとARPATIOの適合デバイスにTHINKLETを加えることで、より広い現場の安全作業支援ニーズに応えることができると説明。今後、フェアリーデバイセズがさらなるデバイスおよびMDMや、音声AIなどのクラウドテクノロジーの開発・提供、NSSOLがフェアリーデバイセズ製デバイスを活用するアプリケーションを開発・提供することで、さまざまな現場作業の安全・効率化・高度化を推進していく。

 また将来、THINKLETの活用に加えて、フェアリーデバイセズが持つAI音声認識技術と、NSSOLが持つAI画像認識技術を安全見守りくんに機能追加することで、ハンズフリーでの現場支援や、コロナ禍におけるソーシャルディスタンスの確保、画像・映像による作業分析を行うことによる作業指示、作業ミスの撲滅、熟練者の技能・技術の抽出・伝承などを実現するソリューションなどを提供していくとしている。

THINKLETを活用した「安全見守りくん」と「ARPATIO」の利用イメージ