ニュース

東芝デジタルソリューションズ、アセットIoTクラウドサービス「Meister OperateX」「Meister RemoteX」の新版を提供

 東芝デジタルソリューションズ株式会社は15日、「工場・プラント向けアセットIoTクラウドサービスMeister OperateX」と「設備・機器メーカー向けアセットIoTクラウドサービスMeister RemoteX」に、ドイツのIndustrie4.0で標準規格化が進む「アセット管理シェル」に対応する機能を追加した新バージョンをリリースした。

 アセット管理シェルは、Industrie4.0の推進団体であるPlattform Industrie4.0が策定した、フィジカルに存在するさまざまなアセットを相互に接続するための情報モデルで、Industrie4.0に関わる推進団体や企業により具体化、活用が進められている。東芝は、IEC(国際電気標準会議)のSMB(標準管理評議会)において、デジタルトランスフォーメーションに関する施策提言を行う活動に参画しており、アセット管理シェルを含む標準化活動を積極的に行っている。

 東芝では、工場やプラントにおける、IoTやAI技術を使ったスマート化では、設備・機器の稼働率向上や作業効率化が進められており、さらに生産性やエネルギー効率の全体最適化のニーズも高まっていると説明。それらの実現には、設備や機器をつなぎ、工場やプラント全体の稼働状況・設備状態をデジタルで「見える化」する必要があるが、そのためには、さまざまな設備、機器、センサーをメーカーごと・設備ごとのデータ形式や手順で接続しなければならず、データの収集に多くの期間とコストが必要になるとしている。

 また、工場やプラントに設備・機器を納めるメーカーは、トラブル時の迅速な対応やエンドユーザーのオペレーションサポートの価値向上に向けて、自社が提供するものだけでなく、周辺機器、工場やプラントに配置されたさまざまな機器や人の情報を包括的に扱うことが必要になる。

 こうした工場やプラントのスマート化の課題を解決するため、東芝では設備、機器、センサーなどが発する各種アセットデータを、オープンなグローバル標準規格である「アセット管理シェル」を介して、サービスの「アセット統合データ基盤」に自動的にマッピングして取り込める機能を開発した。

 アセット管理シェルは、設備や機器だけではなく、部品や材料、作業員やシステムなど、工場やプラント内のあらゆる資源の情報を扱えることや、長期間運用する中での変化に対応できる拡張性を持っていること、さらにそれらがオープンな仕様でやり取りできるといった特徴を備える。

 アセット管理シェルに対応することで、異なるメーカーの設備や機器を、自社で簡単にIoT化できるようになり、複数メーカーの設備で構成された工程や工場・プラント全体の稼働状況の見える化、運転・メンテナンスの最適化などを、より容易に実現可能にする。海外拠点の設備・機器、マルチベンダの製品なども、現地で容易に接続できるようになる。また、メーカーの保守サービスにおいて、周辺機器を含めた利用状況を把握でき、それらの情報を活用した機能強化やリプレース提案や、データドリブンによる緻密なエネルギーマネジメントなど、O&M(Operation&Maintenance)のスマート化を加速するとしている。

「アセット管理シェル」に対応した、東芝のアセットIoTクラウドサービス