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2020年の国内UC/コラボレーティブワークスペース市場は新型コロナ対策などで前年比8.7%成長、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は17日、国内ユニファイドコミュニケーション(UC)/コラボレーティブワークスペース市場の予測を発表した。IDC Japanでは同市場を、「IPテレフォニー市場」「IPコンファレンスシステム市場」「IPコンタクトセンターシステム市場」「コラボレーティブワークスペース市場」の4つのソリューションセグメントに分類して、市場規模の分析・予測を行っている。

 2020年の国内UC/コラボレーティブワークスペース市場は、前年比成長率が8.7%、市場規模(売上額ベース)が4084億7800万円と推計。2020年の同市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による三密回避の必要性から、急速に需要が増加したWeb会議アプリケーション、コンテンツ共有アプリケーションなどのコラボレーティブワークスペース市場を中心に、高い成長率で推移したとしている。

 市場の成長要因としては、三密回避など顧客や従業員の行動様式の変容によるユーザー企業における抜本的な働き方改革の動きや、デジタル空間での顧客エクスペリエンス向上施策を挙げている。一方で、中小企業および、流通/サービス/公共など対面を前提としてきた業務が多い業種においては、在宅勤務の導入率はいまだ相対的に低い状況にあるとしている。

 また、IDC Japanが行った調査では、「働き方改革、在宅勤務促進」の項目で投資強化を行うと回答した企業が多い一方で、在宅勤務における生産性では「顧客とのアポイントメント調整/提案」「社内メンバーへの教育/業務進捗確認」「社内外関係者との調整業務」など、調整や相手方の反応に応じた対応を行う業務において、生産性の低下を挙げる割合が高いなど、デジタルワークスペース活用の高度化が必要な状況だとしている。

 2021年以降の市場の推移については、リモートワークの適用範囲拡大、高度化、Web会議をはじめとした非接触ソリューションに蓄積されたデータ分析/活用需要の拡大により、堅調に成長すると分析。その結果、国内UC/コラボレーティブワークスペース市場は、2020年~2025年の年間平均成長率は4.0%で推移し、2025年の市場規模は4968億1500万円に達すると予測している。

 内訳としては、国内UC市場は2020年~2025年の年間平均成長率が0.9%、2025年の市場規模が1760億4100万円、国内コラボレーティブワークスペース市場は2020年~2025年の年間平均成長率が6.0%、2025年の市場規模が3207億7400万円と予測している。

 IDC Japanソフトウェア&セキュリティマーケットアナリストの太田早紀氏は、「国内UC/コラボレーティブワークスペース市場が今後も成長していくために、ITサプライヤーは中小企業へのリモートワーク導入サポートおよびユースケース拡大、デジタルワークスペース活用の高度化を通じた継続的な働き方改革支援、非接触ソリューションに蓄積されたデータ活用による新たな事業機会の開拓を行い、継続的な国内におけるデジタルワークスペース活用の向上を検討すべきである」と述べている。

国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーティブワークスペース市場予測、2021年~2025年(出典:IDC Japan)