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OCRソリューション市場、2020年度は前年比20.3%増の509.1億円規模に

 デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社は6日、マーケティングレポート「ニューノーマル時代にAI OCRで拡大するOCRソリューション市場動向 2021年度版」を発刊したと発表した。

 同レポートは、汎用OCRベンダーとAI OCRベンダー計24社の2019年度~2021年度の実績と予測を調査。市場全体の集計分析と2025年度までの中期予測を行い、OCRリューション(ソフトウェアライセンス、コンサルティング・SI、BPOサービス、保守サポート)の市場動向を考察している。調査期間は2021年2月~3月。

 調査では、OCRソリューション市場は2019年度の実績が432.1億円、2020年度の見込みが509.1億円(対前年比120.3%)と堅調に推移し、2021年度も対前年度比121.0%と安定成長が続くと予測している。

 成長の背景にあるのは、コロナ禍におけるペーパーレス化と業務自動化で、市場全体の年平均成長率(2019年度~2025年度)は18.6%、うちAI OCR市場が年平均成長率56.1%と市場を牽引しており、高留まりのまま推移し、安定成長路線を進むとしている。

 2019年度の市場構成比は、ソフトウェアライセンスが24.8%、コンサルティング・SIが52.3%、BPOサービスが18.9%、保守サポートが3.9%。

 ソフトウエアライセンスの提供形態別構成比は、2019年度がオンプレミス65.1%、クラウド34.9%だったが、2020年度はオンプレミス49.2%、クラウド50.8%とクラウドが逆転。2021年度以降もクラウドがさらに大きくなり、クラウド急伸は伸長著しいAI OCRソリューションが100%を占めていることが要因だとしている。

 コンサルティング・SIは、AI OCRソリューション向けが2020年度対前年比287.3%と伸長しており、SIerがAI OCRをRPAなどソリューションに組み込み、提供を行っていることが要因だと説明。ただし、汎用OCRのコンサルティング・SIの売り上げの方が大規模処理案件が多く、コンサルティング・SIは2020年度では87.1%を占めて大きく、AI OCRは同12.9%となっている。

OCRソリューション市場推移