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IIJグループ、ベトナムにおいてKubernetesをクラウドサービスで提供開始

 株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)と、IIJのベトナム現地法人IIJ Global Solutions Vietnam Company Limitedは3月31日、ベトナムのIT最大手FPTグループ傘下のFPTテレコムと共同で展開しているベトナム国内向けパブリッククラウドサービス「FPT HI GIO CLOUD」のラインアップに、コンテナ型アプリケーション管理基盤Kubernetesのマネージドサービス「HI GIO Kubernetes Engine」を新たに追加し、4月1日から提供すると発表した。

 現在、ベトナムでは、拡大する電子商取引やフィンテック分野においてコンテナ技術の活用が進み、Kubernetesを導入する企業も増えており、現地企業のほかオフショア拠点を展開する日本企業からも、コンテナ型アプリケーションを効率的に管理できるKubernetesを、手軽なクラウドサービス(PaaS)として提供してほしいという要望が寄せられているという。

 IIJグループでは、そうした市場ニーズに対応し、Kubernetesのサービス開発を進める中で、今回、日本市場に先行して、より強い需要が見込めるベトナムにおいてサービスを開始する。

 HI GIO Kubernetes Engineは、独自にカスタマイズを加えた独SUSEのオープンソースソフトウェア「Rancher」を基盤ソフトウェアとして採用。法人利用を想定し、機能性の高いCitrix Systemの「Citrix ADC」をロードバランサー(LB)機能として組み込んでいる。ユーザーは、一切の設備を保有することなく、クラウド上のKubernetes基盤を利用して、小規模な開発環境から大規模なサービス提供基盤まで、柔軟にリソースを拡張できる。

 KubernetesクラスタやLB機能の管理など、すべての操作を管理ポータルから実行でき、ユーザー管理やアクセス権の制御などの管理機能も提供k。Kubernetesクラスタは最大24ノードまで収容でき、自動バックアップ付きのパーシステントディスク(コンテナ処理データの保存用ストレージ)、MPLSなどの外部接続など、さまざまなオプション機能を付加できる。

 Kubernetesクラスタの稼働率は99.99%以上であることをSLAに定めており、設定ファイルは、6時間ごとに最大12世代までを自動バックアップし、ノード障害時のフェイルオーバーとロールバックを自動実行する。これにより、ミッションクリティカルな用途にも利用できる高い可用性を確保する。

 サービスの開発は、日越共同プロジェクトとして行われ、その技術は日本で今後提供するKubernetesサービスにも活用される予定。ロードバランサー(LB)機能、管理ポータル、サービス品質保証(SLA)などを備えたKubernetesのPaaS提供は、ベトナム国内では初になるという。