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CTC、台湾IntumitのAI自然言語処理エンジン「SmartBERT」を販売

AIチャットボットの自動応答における正答率を向上

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は24日、台湾Intumitが開発した、ディープラーニング(深層学習)技術を用いたAI自然言語処理エンジン「SmartBERT」を販売開始すると発表した。同社がすでに提供しているAIチャットボットサービス「SmartRobot」とSmartBERTを組み合わせることで、大規模データを活用したAIチャットボットサービスの自動応答において、正答率の向上が期待できるという。

 Intumitは、AI/ロボット事業を手掛ける台湾のベンチャー企業で、Googleが自社検索エンジンに採用している自然言語処理技術「BERT」のアルゴリズムを活用し、AI自然言語処理エンジンのSmartBERTを開発した。

 これを利用すると、チャットボットに登録済みのFAQデータや、過去の対応履歴データから文章の相互関係を自動的に学習できるため、問い合わせの意図を読み取る精度向上が期待可能。問い合わせ件数やFAQデータの増加に伴う運用の負荷を低減しつつ、高い正答率を維持し、チャットボットの運用における自動化と効率化を実現するとした。

 台湾では、SmartBERTを活用した大規模なAIチャットボットサービスにおいて、約3000件のFAQデータを蓄積した自動応答に対して約90%の正答率を維持できているほか、データメンテナンス工数も、従来のAIチャットボットのエンジンと比べて50%の削減が実現しているとのこと。

 CTCでは、ヘルプデスクを始めとした定型的な応答から、複雑な機器の操作方法や不具合の対処方法まで、複雑化・多様化する問い合わせに関する自動対応が可能になることから、顧客満足度やサービス品質の向上につながるとアピールしている。

 SmartBERTの導入形態はオンプレミスとSaaSから選択でき、価格はそれぞれ、2400万円から、月額40万円から。

 なおCTCは、SmartBERTの日本語化において、パフォーマンスや機能の検証・評価、品質の担保などに試作段階から取り組んでいるほか、すでに2019年からSmartRobotの取り扱いも開始している。SmartBERTの提供にあたっては、導入に伴うシステム構築から、セキュリティ対策、トレーニング、保守サポートまで、トータルなサービスを提供するとのことだ。